崑崙の章
第8話 「ともあれ、大儀であった!」
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欠いて、人のことを「お前はスパイか?」と言ってきやがった。
このくそじじい……
「まさか。私が細作なら、こんな目立つようなことはしません。黄忠さんに出会ったことも、厳顔さんに出会ったことも全て偶然ですよ」
「ふむ……だが、お主ならば儂に会う機会を得る為に全てを自分で計画した、そうは思わぬか?」
劉表の言葉に、隣にいる紫苑と桔梗がはっ、とする。
おいおい……
俺は孔明じゃないぞ。
そんなめんどくさくて、ややこしいことなんかするか。
……まあ、孔明自体が朱里じゃあなぁ……いやいや。
「さすがにそんな回りくどくて面倒くさい上に、不確定要素が多すぎることはしませんよ。俺が貴方に会うだけなら劉備のところから正式に書状出して面会すればすむことです。それでなくても最初から天の御遣いを名乗れば、劉表様でしたらご面会をお受けになられるのじゃありませんか?」
「ふむ……それもそうじゃの」
劉表が自身の顎の髭を片手で整える。
紫苑と桔梗は、どこがバツの悪い顔をしていた。
まあ、一朝一夕で俺を信じろとはいえないけどさ……
真名預けてくれたなら、もうちょっと信じてくれてもいいんでないかい?
「では、本当にただの偶然じゃった。そういうわけじゃな?」
「はい。誓って」
猜疑心の強いじじいだな……
「そうか……いや、すまぬな。昨日文官からお主のことを聞いて、すぐに情報を集めたのじゃが、正直信じられんかったのじゃよ。一人で二万人を倒した龍神だったとは……」
「いや、それ違うし!」
信じられないってのは、デマのほうかーっ!?
「そのような噂は真っ赤な偽りです! 俺は劉備の軍師みたいなことをしていただけであって、龍神だの桃香の夫だの、全部でたらめです!」
「お、おお……そうなのか?」
「はい! 俺は劉備の義勇軍で戦って、霞……じゃない、張遼の董卓軍と合流して最終的に宛に駐留しただけです! 武功にしても義勇軍と董卓軍でやったことですので、俺一人がやったわけじゃありません!」
「そ、そうか……」
「そもそも天の御遣いなんて周りが言い出しただけで、俺自身はただの男に過ぎませんよ! 大して能があるわけでもないし!」
「「「いや、それは嘘じゃろ(でしょう)?」」」
「なんでさっ!?」
劉表に桔梗や紫苑まで、口をそろえて否定しやがった。
まあ、確かにAMスーツあるし、サイコブロー使えるし、スプリガンだから「ただの男」じゃないかもだけど……
「ま、まあ、その辺りはおいておくとして、じゃな。お主にもいろいろと世話になった。あらためて礼を言おう」
「あ、いえ。お気になさらないでください。俺……じゃない、私は成り行きで手伝っただけですし」
「ふむ……謙虚じゃな。昨日はただの口だ
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