暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「お母さんの味は・・・」
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オルコット家は完璧を以て良しとする、というようなことを母は言っていたような気がするが、今の私の努力にあの人の言った事は関係ない。だが、何となく自分が母より劣っているというのは癪なので努力は人一倍する。
セシリア・オルコットとはそんな女である。
だが如何に彼女が才女であろうと、苦手なものの一つや二つくらいは存在する。
例えば、そう―――料理とか。

「・・・・・・・・・」

自分で作ったサンドイッチを眺める事、早10分。わざわざ厨房を借りて作ったそのサンドイッチは、見た目はとってもおいしそうに見える。
勇気を振り絞る様にその一つを指先で掴み、口元まで持ち上げようとし・・・その手が震えていることに気付き、元の場所へと戻す。そして、深い深いため息をつく。
未だにセシリアはそのサンドイッチに手を付けることを出来ないでいた。理由は簡単、食べる勇気が足りないからである。ではなぜ食べるのに勇気がいるのか。それは、彼女がそれを作るにあたって通過した過程に問題があるからである。

―――たとえば卵サンドにバニラエッセンスを放り込んだり。
―――ポテトサラダサンドのポテトに多量のマスタードを混入したり。
―――ハムサンドのハムとレタスの隙間に、練乳を入れたり。
―――ツナサンドのツナに片栗粉とビネガーを混ぜたり。

深く考えずに「とりあえずイメージで」作ってみたこのサンドイッチには、冷静に考えれば入れないことが解るであろう色んなものを入れてしまった気がする。しかも、先ほどあげた例はあくまで彼女の思い出せる範囲での話。実際の調理場には明らかにそれ以上の調味料を使った痕跡があり、サンドイッチの味は既にロシアンルーレット以上のデンジャーゾーンへと突入している可能性が高い。

もう一度深いため息をついたセシリアは、頬に手を当てながら「どうして今日の私は料理を作ろうとしたのかしら」と何度も繰り返した内容を自問していた。



セシリアは実家にいたころは自由にできる事や時間が殆ど無かった。理由は母親の英才教育と掟の厳しさゆえである。よって屋敷を飛び出すまでのセシリアにとって趣味や娯楽と言えるものは極端に少なかった。だからだろうか、実家を飛び出してからのセシリアはやったことのない事に挑戦しようと様々なものに手を出した。元々才能あふれる少女だったセシリアはスポーツ全般に裁縫や釣りにカメラ、果ては盆栽までとにかくいろんなことを試してみていた。
そして偶の休みである今日、ふと彼女はあることに気付いたのだ。

―――そういえば料理には挑戦したことがなかったわね、ちょっとやってみようかしら。

そして、現状へと至る。

自分で作った以上は食べなければ食材に失礼・・・というアミニズム的な発想が彼女にあったかどうかは定かではないが、恐らく似たような
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