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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三一幕 「俺が狼に人生相談を頼むわけがない」
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に大切な“選択肢”を掴むことさえ出来ないような気がするから。

「・・・芯の通っているところは本当に似てるな」
「えっ?」
「何でもないよ。それだけの覚悟があるんなら上出来だ。あとはその情熱を戦い以外の所にも向けられれば完璧かな?じゃ、俺はそろそろお(いとま)するよ」

満足そうに頷いたクラースはそのまま立ち上がり、個室の戸を開く。部屋を出る前に再び一夏の声が掛かった。怪訝そうな顔で振り向いたクラースに、一夏はぺこりと頭を下げた。

「あの、クラースさん・・・今日はいろいろ教えてもらってありがとうございました!出来ればまた何か聞かせてください!」
「・・・機会があったらね」

振り向かずにそれだけ返したクラースは今度こそ部屋を後にしながら、誰にも聞こえないほど小さな声でポツリと呟いた。


「キミは本当に姉に似てるよ、一夏君。ひょっとしたら君も、織斑の言っていた“マジン”ってやつを宿せるかもね」


誰に向けたわけでもないその言葉は、虚空に吸い込まれ、消えて行った。

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