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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三一幕 「俺が狼に人生相談を頼むわけがない」
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優勝確実とまで言われた日本代表の理由不明の突然の辞退に会場は騒然、ブレード部門では優勝者にブーイングが飛ぶなど異例の事態となった。その空気はモンドグロッソ全体に広がり、第二回モンドグロッソは出場者にも観客にも言葉に出来ないしこりを残したまま終わった。日本の心ない人々の中には千冬のことを臆病者と罵る者までいたが、誘拐事件の存在は何故か世間に語られることはなかった。
そして、情報提供の件でドイツ軍に借りを作ってしまった千冬はその後1年間ドイツ軍の教官として過ごすことを余儀なくされ、一夏と離れ離れに暮らすこととなった。
皆と共に日本へ帰った一夏は、自分の所為で姉の晴れ舞台を邪魔してしまったという悔恨に苛まれた。自分に力がなかったから・・・自分が油断したから・・・
「皆は俺を責めなかった。千冬姉も責めることはなく、むしろ無事を喜んでいた。ジョウさんは逆に一緒に行かなかったことを謝ってきた。それでも、俺は守られるだけの弱い自分をどうしても許すことが出来なかった・・・だから、ISを起動させたとき、本当は少しだけ嬉しかったんです」
いつしかその後悔は独白へと変わり、気が付けば一夏はクラースに延々と自身の胸中を吐露していた。
「でも・・・駄目ですね。この前も結局助けられちゃったし、今日もクラースさんの言葉で自分の認識の甘さを思い知らされました・・・駄目だなぁ、俺」
「・・・戦いに参加しない人間なんて多かれ少なかれそんなものだ。ISパイロットとて内心では『ISは安全』とタカを括っているものも珍しくはないよ」
そこでいったん言葉を区切り、クラースは改めて一夏の方を向く。
「ちょっと軽い講義をしようか。まずはISが何故安全なのか、考え付く限り答えて御覧?」
「え・・・っと、絶対防御があるから操縦者が怪我をしない。あと、アラスカ条約で自衛と競技以外のIS利用を禁じているから・・・すいません、この二つしか思いつきません」
「今はそれで十分さ。さて、絶対防御があるから安全というのは実の所間違っている」
「えっ?」
意外な言葉に一夏は動揺する。絶対防御はIS安全説の根幹と言ってもいい。それが間違っているなど今まで思いも寄らなかった。だが、そこで一夏は何故そう言い切れるのかという疑問の答えをいくつか自分で発見する。
「あ、“零落白夜”!それにこの前のアンノウンのビームも!」
「うん、それもある。シールドそのものを無効化する“零落白夜”なら対人安全確保プログラムを弄れば操縦者を直接攻撃することも出来るし、あのアンノウンの大出力粒子砲は絶対防御をも突破出来るだけの威力を持っている。でももっと根本的なものがあるよ?」
「根本的・・・?」
「そう、絶対防御の特性を考えればわかることだ」
「・・・えーと、えーと?あっ!!シールドエネル
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