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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二九幕 「確かな絆を信じて」
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せんよぉぉーーー!?』
「落ち着いて、アングロ。もっと別の事だから・・・」

冗談めかすコーラとまた暴走しかけているアングロを落ち着かせ、一度深呼吸する。
それは僕にとって言葉にするのに少しばかり勇気のいる宣言。いずれは向き合わなければならないと思っていた事柄。



「・・・僕は、ISに乗れるようにならなきゃいけない。だから・・・トラウマを克服する」



3人が同時に押し黙った。それだけの覚悟が、言葉には込められていた。

ミノリ達が命の危険に晒されたと聞いたとき、僕はこう思わずにはいられなかった。
すなわち“この学園にいたからと言って身の安全が必ずしも保障されるわけではないのだ”ということだ。
今まで争いが嫌いだから、PTSDだからとずっとISという存在から目を背けてきた。だが、あんな事態が起きた以上、自分だっていつ狙われるか分からい。下手をすれば自分の周りにいる人間も死んでしまうかもしれない。
それを指をくわえて見続けるなど、絶対にしたくない。鬱陶しかったり変人だったり妙にうるさかったりする彼らが、血に染まるなど考えたくない。―――囮でもなんでもいい、人の死を退ける力、ISを持たなければならない。

4年前に起きた、忘れ得ぬ悪夢。未だ自分の心を閉じ込める茨の檻。あの事件以来、僕の世界は変わった。僕は心に傷を負い、家族も友達もすべて失って顔も知らない伯父の元へ駆けこんだ。EMDRなどの治療は受けたがそれでも効果は薄かったため半ば諦めていたトラウマの克服・・・それは、ベルーナが過去と向き合うことを示していた。
しばし押し黙った3人はしかし、思い思いの言葉でベルーナに語りかけた。

『ねぇ、事情は分からないけどどうしても克服しなきゃならないの?』
「・・・うん。もう決めたから」
『そう。ベル坊がそこまで言うんなら、私も止めないわ・・・納得したわけじゃないけど』
『おいおいどっちなんだよ?・・・ま、俺としては無理して倒れたら承知しねえって感じかな?』
『全く以て同感です。いいですかベル?お願いですから無理なリハビリをして倒れたりしないで下さいよ?そんなことになったら今度こそ伯父さんの胃に穴が開いてしまいます!』
「分かってる。でも、やる」

これは何を言われても譲れない。もうするんだと心に決めたことだ。
どうせどこまで逃げても自分の陰から逃げられはしない。そしてここから先は何処から危険が飛び出すか分からない危険区域(デンジャーゾーン)。鎧も装備していない戦士様はあっという間に化物に殺されてしまう。
ミノリの顔を思い浮かべる。学園に行ってから知らず知らずのうちに甘えてしまっていた、あの同居人に抱きしめられた時のぬくもりを失いたくない。
彼女だけではない。オリムラだってホンネだってヤマダ先生や他の皆
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