暁 〜小説投稿サイト〜
造られた女と創られた力
log2 足掻き
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まれたかのように暴れまわり、転げ回り、もがき苦しんでいる。……そして、更に驚くべきことが起こった。


―――男がいきなり燃え出したのだ。おまけに炎の色も嵐の海のような不可思議な色の炎だった。炎は男の体を蝕んでいき、徐々に焼き尽くしていく。人がこんなに醜いものだったろうかと思わせるような、焼死体なはずなのに動いているような、そのような状態になってなお、男は少女に這い寄っていった。

「ワダヂのォ……ゲぎゅう―――ぜイが……だぞバ……――ぁぁァ」
数分と経たないうちに男は灰になりこの世から永久に消え去った。

「う……わ……うわああぁぁぁ!!?」

一人の研究者が逃げ出すのを皮切りに他の研究者や、神父、シスターも逃げ出していく。そんな中、

「はあぁっ!」
「おらぁ!」
「喰らえ!」

護衛とみられる男女が少女に斬りかかっていった。どの者達も、ひと目で波の腕ではないとわかる……強者達ばかりだ。

「ははぁっ! この者たちは、我協会でもトップクラスの力を持つ者たちだ! こうなれば、死ね!化物め!」

……が、しかし、少女は慌てる素振りすら見せず、左手を振り上げる。よく見ると、機械らしさを残しながら、化物と融合したような……そんな腕になっている。少女自体の見た目も変わっていた。メッシュ部分が”蒼く”発光し、セミロングだった髪の一部が伸びていたのだ。

「は――っ!」

少女は”水流のようなもの”を出現させるとそれをむちゃくちゃに振り回した! 太さもリーチもあるそれを避けることは不可能に近く、避けきれなくなった護衛の者達はそれを思いっきり喰らい、

「い、嫌!? いやああぁぁぁ!!」
「助け……助けてくれぇぇ!?」
「熱い! 誰かぁ!?」

白衣の男と同じ末路をたどっていく。見ると研究者達の中にも巻き込まれた者はいたらしく、もう数人しか残っていなかった。

「この……化物めぇ……!」

自分たちが”それ”を望んで作り出したにもかかわらずそれが牙を向ければ”化物”、従順に従っていれば”道具”……ヒューマニズム溢れた考えであり、この状況では仕方ないかもしれないが、今の少女にとって”それ”は気分をさらに悪くするものでしかなかった。
少女は”水流のようなもの”を叩きつけるべく、左腕を真上に振り上げ……振り下ろした!

「……!」
「いっ――ぎゃァァ!?」
「ばっぁ……ぁ!」

”水流のようなもの”に叩き潰され、焼き尽くされ、もう後には何も―――

「おのれ……おのれおのれぇ……!」

いや、神父は生き残っていた。 どうやらシスターを盾にして生き残ったようだ。

「こうなったら……悪あがきだ!」

そう言うやいなや地面に散らばった残りの”宝石”を掴み、謎の機械に入れる。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ