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―――某国、某所―――
薄暗い建物の中、十数人の科学者と思われる白衣を着た男女と、神父の服やシスターといったこの近代的な装いには不釣合いな格好をした人物達がいた。
「どうだ、調子の程は」
「今のところ、問題無し、呼吸、脈共に正常だ」
神父の服の男と科学者たちのリーダーと思われる男が、巨大な試験管の前に立ち話をしている。
「しかし、こんなことを思いつくとは……上の方々も残酷で酔狂なことだ……」
「何を言っている。お前こそ、この事を聞いたときまるで子供のように目を輝かせていたではないか」
「ははっは! そうだったなぁ」
……試験管の中には、高校生程の歳の少女が入っていた。浅葱色にグレーを混ぜたような色をした髪を持ち、淡い赤紫のメッシュのようなものが入った少女だった。試験管に入っている時点で普通ではないとわかる。
「S級はぐれ悪魔や、犯罪者の堕天使、果てはドラゴンの細胞まで組み込み、十数年間ずっと育ててきたのだ。今更こんなところで不意には出来ないな。」
「もちろん。私が持っていた最高の素材、あんたがたが持っていた最高の素材、それを使って造り出したんだ。秘密裏に持ち出したものもある、失敗すれば首が飛ぶでは済まないよ」
「全くだ……ところで」
神父の男が話を切り、試験管の中の少女の腕を指差し疑問を投げかけた。
「何故、こいつには腕がないのだ?」
……そう、彼女には肘から先がなかった。本来あるはずの物がその部分になければ誰だって疑問を抱くだろう。
すると、白衣の男はニヤリと笑い楽しそうに告げた。
「……言っただろう? 秘密裏に持ち出したものがあると」
そう言って、義手のようなものを取り出した。近未来のアンドロイドの腕を少し武装させたような、何かをはめ込む場所がある義手だった。
白衣の男は先ほどよりも楽しそうに告げた。
「”神器”は知っているだろう?」
「ああ、知っているが……」
「私は独自に”神器”を研究し、ついに”神器”を作り出すことに成功したのだ!……まぁ、”多少”の犠牲は出てしまったがねぇ」
「ふふ……”多少”ならば仕方ない……。と、いうことはこの義手が”神器”なのか? 特別な力など感じないが……」
神父が物珍しそうに、それでいて訝しむように義手を覗き込む。
白衣の男は待ってましたと言わんばかりに、獣の頭部の形をした宝石のようなものを取り出した。
「いーや、実はこちらが神器なんだよ」
「確かに物凄い力は感じる……この神器の使い方がわかればこれ単体でも……いや、だがこの宝石と義手に何の関係が…………」
そこで神父は義手のくぼみのことを思い出し、嬉しそうに体を震わせる
「まさか、義手のくぼみは……!」
「その通り! この神器
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