第九十話
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
何処までも続く赤色の荒野。空には製鉄所を思わせるような歯車が回り、地面には墓標のように数え切れないほどの名剣、魔剣が突き刺さっていた。
アーチャーの切り札。固有結界・無限の剣製である。
「え?うそ…これって固有結界じゃないっ!どうして弓兵であるアーチャーがこんな物を…」
魔術の心得のあるイリヤが驚愕に染まる。
すっと指揮者のように手を上げたアーチャー。その指揮に従う様に無数の剣は地面から解き放たれ、空中に静止すると、此方に刃先を向け、指揮者の合図を待っている。
「剣技は君の方が優れているだろう。魔術の扱いも私とは天と地ほどの差が有る。防御も堅牢で並大抵の攻撃では抜けないだろう。…しかし、この無限の剣に貫かれて果たして無事で居られるか?」
アーチャーの手が振り下ろされると、待ってましたとばかりに剣が射出される。
いつかのギルガメッシュのような攻撃だが、すでに存在する分その展開速度が段違いに速い。
すぐさま地面を蹴って射線上から離れると今まで居た所へ無数の剣が突き刺さる。
逃げる先にも剣は雨のように弾幕の雨を降らせ続ける。イリヤとソラを見れば、アンリミテッドディクショナリーを盾に飛んで来る宝具を飲み込んで耐えているのが見えた。
アーチャーも先ずは俺のほうを優先するようで、イリヤ達へはけん制程度だ。
逃げる俺に、アーチャーは一部の隙も無いように大量の剣を降らせる。
正面から来る剣の嵐を前に、追い込まれてしまった俺。だが…
『あたしが変わります』
身の内から声が掛かるや否や俺はすぐさま体の制御権を手放した。
そして軽やかな声でこの歯車が軋みを上げる紅い荒野を塗り替える魔法の言葉が紡がれる。
『ゲームマスター(理不尽な世界)』
◇
いつか金色のアーチャーの攻撃を防いだようにわたしを担ぎ上げたチャンピオンの女性は大きな口の付いた本で大量に降ってくる宝具の数々を飲み込んでいく。
前の時も思ったけれど、この口の中は何処に繋がっているのだろう?
こちらはけん制程度しか襲われていないが、いつもの彼の方には大量の宝具が宙を駆け襲い掛かっているのが横目に見える。
彼はそれを何とか避けているが、流石にあの物量だ、いくら彼でも心配になる。
そんな時、いつもの様にまた彼の姿が変わる。
銀色だった彼の鎧は真紅の竜鎧へと変わっていた。
彼と交代した彼女は現れるや否や迫り来る無数の剣の嵐の前にいきなり黒い城壁のような物を現した。
ドドドーンと言う音を立ててアーチャーが撃ち出した無数の剣はその城壁を粉砕するべく殺到するが、その城壁はビクともしない。それどころか…
『Immortal Object (破壊不能オブジェクト)』
着
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ