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駄目親父としっかり娘の珍道中
第30話 殴りこみをする際は必ずノックをしましょう
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「で、でかい……」

 初めの感想がそれであった。
 今、機能停止してしまったアースラロボから飛び出してきた銀時達一同の目の前に聳え立つのは、二枚式の大きな木目調の扉であった。
 豪勢な作りをしており、金色のノブが特徴的なこれまた随分と金の掛かって居そうな巨大な扉が其処にあったのだ。

「ぎ、銀さん……本当にこんな凄い所に何の策もなく殴りこみに行くんですか?」
「尻込みしてんじゃねぇよぱっつぁん。最初から言っただろ? 俺達は此処に殴りこみに行くってよぉ」

 気合充分な銀時である。普段なら余りお見えにならないシリアスモードの銀時の到来である。

「さて、恐らくこの先にはプレシアの手が込みまくってる筈だよ。扉の奥からやばそうな匂いがプンプンするからねぇ」
「流石イヌ科だ。鼻の良さは一級品だぜ」
「うっさい。それで、どうするつもりなんだい? まさか馬鹿正直に真正面からって考えてる訳じゃ……」

 不安に思ったアルフが尋ねる。その時の銀時の顔を見て、誰もが悟っていたのだが。
 しかし、その問いも今更な問いに終わるのであった。

「ったりめぇだろうが。俺達は殴りこみに来たっつっただろ? 真正面から堂々と殴りこむに決まってるじゃねぇか。こんな風にな!」

 言うが早いか、目の前の扉に堂々と蹴りを叩き込む。その勢いのままに扉を押し開けようとしたのだろう。
 だが、不思議な事に扉はびくともしない。その証拠に、蹴った際のエネルギーがそのまま銀時の足に帰って来る感覚を銀時自身が感じていた。

「うぐおおおぉぉぉぉ! 痛い、マジで痛い! もう銀さん涙目になっちゃう!」
「あんだけカッコいい啖呵切っといて結局それぇ! あんたもうちょっと締める時は締めなよ情けない!」
「うっせぇ! 銀さんはなぁ、普段は死んだ魚みたいな目をしてるけどよぉ、これでも締める時はちゃんと締めるように出来てんだよボケがぁ!」

 そうは言うが全然締めれてないのも銀時だったりする。しかし弱ってしまった。
 まさか正面門に鍵が掛かっているとは。このままでは内部に侵入する事が出来ないのではないだろうか?

「旦那ぁ、どうしやす? このままじゃ俺達殴り込み出来やせんぜぃ」
「こ、こうなりゃアレだよ。ピッキングだよ。鍵穴こじ開けてこっそり中に入ろうぜ」
「おい、さっき堂々と真正面から殴りこみって言った奴の台詞じゃねぇぞそれ」

 最初は殴りこみだとかカッコいい事言っておきながら結局それであった。
 最初の一番手で決め損ねたが為に計画を変更しようとしているのだから。
 
「でも銀さん。ピッキングって言ったって、この扉鍵穴ないみたいですけど」
「じゃ、あれだよ。裏口から侵入するとかさぁ。もしくは地面に穴掘って下から潜入するとかさぁ。他にも色々と方
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