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駄目親父としっかり娘の珍道中
第30話 殴りこみをする際は必ずノックをしましょう
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法あるだろ?」
「いや、どんどん情けない方向へとスイッチしていくんですけど」

 結局何時もの銀時であった。最初は堂々と殴りこみとか言っておきながら、仕舞いにはピッキングだとか潜入とか侵入だとか、どんどん情けない方向へとスイッチしだしている。
 このままだと場の士気がどんどん低下していってしまうだろう。このままでは元の木阿弥同然だ。

「あのぉ、皆さん……この扉」

 誰もが扉の開け方に四苦八苦している最中、ユーノが一人扉の前に立ち皆を呼んだ。

「んだよ」
「この扉……引けば開きますよ」
「……え!?」

 何とも情けない話であった。蹴破ろうとして開かない筈だ。何せ、引けば開く扉だったのだから。
 何はともあれ、こうして中に入れたのだから一件落着……とはいかないのが世の常だったりする。

「う、うわぁ……」
「あんららぁ……こりゃまたぁ」

 扉を開けて中に入ってみれば、其処に居たのは夥しい数の鎧を纏った騎士達の姿であった。
 そのどれもこれもがごつくて強そうな輩ばかりだ。

「あれは……まさかもう此処までプレシアの手が……って、もう既に言ってたっけ?」
「何だよこいつら。あの鬼婆の手が込んでるって言ってるからてっきり別嬪さんがお出迎えしてくれるかと思ったのによぉ。結局こんなむさ苦しい奴等とパーチィしろってかぁ?」
「あんた、一体何を期待してたんだい?」

 よほど何か別の事を期待していたのだろう。大層残念がる銀さんであった。

「流石に数が多い。それに、此処で時間を掛けたら手遅れになる。此処は僕が足止めしますから、皆さんはその間に―――」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ執務官君。そんな病み上がりの体で無理して、大事な体が使い物にならなくなったらどうすんだよ」

 現状でのクロノは未だに全快の状態ではない。先の雷撃のダメージは相当深いらしい。
 体中に堅いギブスを巻いている状態だし、しかも片腕は使えない状況だ。
 そんな状態の彼を殿に使える筈がないのだ。

「で、ですが、このままじゃ手遅れになってしまいます! それに、僕の事は構わずに娘さんを―――」
「バァロイ! 俺達はなぁ、別に娘を助ける為だけに来た訳じゃねぇんだよ。この世界に来てから俺達全員ケチのつきっぱなしなんだよ」

 銀時は憎憎しげに語った。
 此処江戸とは違う別世界に来てしまったが為に揃って弱体化してしまった事も、フェイトに突然勝負を挑まれボコボコにされてしまった事も、その使い魔のアルフに三人がかりでようやく勝てた苦い勝利の事も、ロストロギアを相手にどうする事も出来ずコテンパンにされてしまった事も。
 全部全部銀時にとっては苦く辛い思い出ばかりになってしまったのだ。
 本来なら江戸では押しも押されぬ主人公として通って
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