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駄目親父としっかり娘の珍道中
第29話 子を叱るのは親の務め、親を叱るのは子の義務
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らなかった。全くもって意味が分からない。
 理解出来ていないフェイトの頭を銀時が手を乗せながら答えてくれた。

「分からないか? 皆お前を心配して、こうして芝居を打ってくれたんだよ。大体殴りこみに行くってのに作戦なんざチマチマしたの要らねぇんだよ」
「そ、それじゃ……さっきの議論ってのは……もしかして」
「そうだよ。お前を試す為に全員で打った芝居だったんだよ。さっきの怒号を見る限り、本当に吹っ切れてたみたいだな」

 どうやらフェイトを試していたようだ。あそこでフェイトが本気で叫ばなかったら、きっと銀時達はフェイトを縛り上げて連れて行かなかっただろう。
 何とも回りくどいやり方でもあった。
 しかし、それが銀魂なりのやり方なのであろう。
 そう、フェイトは思えてしまった。

「よし、全員揃った事だし、これより俺達は時の庭園に殴りこみをかけるぞ!」
「ちまちました小細工なんざ不要だ。目の前に壁が現れたら叩き壊せ! 邪魔な敵が居たらぶちのめせ! 何も考えず、只前だけ見据えて走り抜けろ! それが殴りこみってもんだ!」
「良いじゃん。そっちの方があたしもやり易くて良いよ。回りくどいやり方は頭が痛くなるからね」

 皆が満場一致の思いであった。既に作戦など不要だったのだ。これだけメンバーが揃えば作戦なんてあってないような物だ。真正面からぶつかり、そして粉砕するのみだ。
 そんな無茶苦茶な事が出来る奴等こそがこの侍と言う奴等なのだろう。

「銀時、母さんを叱るって事も忘れないでね」
「それはお前の仕事だ。俺達が出来るのはお前の露払い位なもんだよ。だから、締めはお前がやれ! お前がお前のお袋さんの尻を叩いてやれ」
「いや、何で尻限定? 何で叱るって事になったら母さんの尻が出てくるの?」
「馬鹿野郎。古今東西叱るってのは大概お尻ぺんぺんが基本だろうが!」
「何所の世界に母親のお尻を叩く娘がいるの? 普通いないわよそんな情けない親!」
「何言ってんだてめぇ。自慢じゃねぇがこの俺、坂田銀時はなぁ、なのはが5歳の頃にあいつに尻を叩かれた経歴があるぞ! 輝かしい経歴だぞゴラァ!」
「全然輝かしくないわよ。寧ろ汚らしい経歴よそれ! 今すぐそんな経歴どぶ川に捨ててしまえこの馬鹿親父!」

 結局元通りになってしまった。纏まりがなさそうにも一見見えるこの光景。しかし、それでも皆心は纏まっているのだ。
 それが、この二つの世界の交わりにより出会えたメンバー達の固い絆と言える代物なのだろう。
 そして、その過程で出来た最強のパーティーが、今最後の戦いに望む。
 果たして、銀時達の運命や如何に?
 そして、おやつは300円が良いのか? それとも500円が良いのか?

「まだその議題引っ張ってたのぉ!?」

 その点については
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