第28話 バトルってのは何でもかんでもド派手にやれば良いってもんじゃない。空気を読んで節度を守って正しくルールに乗っ取ってやりましょう
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の発言に銀時はギョッとなった。
「どういうこと? プレシア・テスタロッサ! これでは約束が違うわ!」
【当然よ、最初から約束なんて守るつもりはなかったんだから。それに、折角手に入れた基調な素材をむざむざ手放す訳がないでしょ?】
「素材……だと?」
意味深な発言だった。ジュエルシードを素材と言うのにはいささか疑問を感じる。
まさか……
【おおよそ推測は出来てるでしょ? 貴方の娘よ。あの子は実に良い素材だわ】
「てめぇ、家の娘をてめぇの道楽に使うってのか?」
【道楽じゃないわ。これは私の人生全てを賭けた実験なのよ! そう、私の愛する娘を取り戻す為のねぇ】
「娘だと?」
その発言を聞いた途端、銀時は声高く笑って見せた。周囲が動揺をするが、本人は気にしてはいない。
「変な実験ばかりして頭までおかしくなったのかこの腐れババァ! てめぇの愛する娘なら此処に居るじゃねぇか?」
後ろに居るフェイトを指差してそう言う。だが、それに対しプレシアもまた声を高くして笑い出した。
【貴方こそ頭おかしくなったんじゃないの? 誰がそんな出来損ないの人形を娘と思う物ですか?】
「え?」
「出来損ないの……人形?」
【良い機会だわ。フェイト、貴方に良い物を見せてあげる】
自慢げにそう言うと、突如プレシアは立ち上がり映像の場所を変える。それは、無数のカプセルが陳列している部屋であった。
まるで何処かの実験室の様な場所であった。
そして、その部屋の最奥には一際大きなカプセルが置かれており、その中には一人の少女が入れられていた。
その少女の顔や姿形を見て、誰もが己が目を疑った。
其処に居たのは、紛れもなくフェイトその者だったのだ。
「フェ、フェイトォ! 何で? え、嘘! 何で?」
「おいおい、何の冗談だよこりゃ? 何でフェイトが二人居るんだ? お前まさか双子だったのか?」
【違うわよ。この子の名前はアリシア・テスタロッサ。私の愛娘よ】
「銀ちゃん。全く意味分からないアル。もう少し頭の弱いちびっ子に分かるように説明して欲しいアル」
「だそうでぇす。プレシア先生〜。もう少し俺等みたいな馬鹿にも分かるように説明して下さいコノヤロー」
さすがにこれだけじゃ何がなんだかさっぱり分からない。事の真相を確かめねばならない。
【良いわ、教えてあげる。プロジェクトF。管理世界の者なら知ってる言葉の筈よ】
「プロジェクトFATE……まさか!」
【察しが良いわね、艦長さん。そうよ、其処に居るフェイトは私がプロジェクトFで作ったアリシアのクローン。いえ、出来損ないの失敗作なのよ】
「そ、そんな……」
フェイトの顔が蒼白しだしていく。信じ難い現実を突きつけられたのだ。無理もないだろう。
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