第27話 幾ら悲しい話でも人の事巻き込んだらはた迷惑な話にしかならない
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わ】
「何……」
【返して欲しい? だったら言う通りにした方が身の為よ】
「てめぇ、侍を脅すたぁ良い度胸してんじゃねぇか。夜道に気をつけた方が良いぜ。後ろからバッサリやられるかも知れねぇからよ」
【ご忠告有り難う。それで、どうするつもりかしら? 交渉を呑むのか呑まないのか?】
上目遣いでいらだつ言葉を並べ挙げた後、女性は勝ち誇った顔をしていた。心底腹立たしいと言う気持ちが沸きあがってきた。
だが、下手に逆らう訳にはいかなかった。
女性が言っていた子と言うのは間違いなくなのはの事だ。どうやらあの女はなのはの価値に気付き交渉の材料にしてきた、と言う所だろう。
全く以って腹の黒い女であった。
「どうするんですかぃ旦那ぁ?」
「ちっ、本来ならあんな腹黒女の要求なんざ死んでも呑みたかねぇよ。だが、今の俺等にゃどうする事も出来やしねぇ」
通信を送ってきたのは女性の方だ。となれば既に向こうは準備を整えていると言っても良いだろう。
なのはを渡す準備も。そして、殺す準備も。
今下手にあの女には逆らえない。冗談や精神を逆撫でする発言も出来ない。今、交渉のリード権を握っているのはあの女なのだから。
「分かりました。貴方の要求を呑みましょう」
「艦長!」
リンディの決断にほぼ全員が驚きの顔を見せた。当然の反応だろう。
たった一人の少女の命の為に次元世界を崩壊させるかも知れない危険な代物を提供しようと言うのだから。
局員としては正気の沙汰とは思えない発言でもあった。
「あんた……」
「私も一児の母ですから、貴方の気持ちは痛い程分かりますよ。それに、貴方が私と同じ立場だったらそうした筈でしょ? 銀さん」
「やれやれ、お見通しって事かよ」
先の先まで見透かされたようで少し気恥ずかしかったのか、銀髪の頭を無造作に掻き毟る銀時。下手な照れ隠しであった。
「貴方の要求は承諾しました。それで、どの様に受け渡せば宜しいですか? プレシア・テスタロッサ」
【既に私の事は調べがついてるようね。まぁ良いわ。私が指定するポイントに来なさい。そして、ジュエルシードをフェイトに渡して甲板に連れてきて頂戴。それだけで良いわ】
「分かりました」
【くれぐれも、変な気は起こさない方が身の為よ。可愛い娘が大事だと思うなら……ね?】
その言葉を最後に通信は途切れてしまった。先ほどプレシアの映っていたモニターには砂嵐しか映っておらず雑音だけが辺りに響き渡っていた。
「ちっ、つくづく胸糞悪い女だぜ」
「全くだ。あんなの俺のお妙さんに比べたら正しく月とスッポンだな」
自信満々にそう言う近藤。だが、側から見るとあんまり違わないように思えるのは何故だろうか?
「艦長、プレシア・テスタロッサから指
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