第26話 親は子を叱れてこそ一人前
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もあるだろう。
だが、戦いに勝つ為には何でも利用しなくてはならないのだ。
劣って居る者が優れている者に勝つ為の手段がそれと言えるのだ。
「それが侍の戦い方なの? せこい戦い方ね」
「せこくて結構だ! 己の技量の全てをつぎ込んで一瞬の隙を突くのが戦いってもんだ。そして、それを見逃さないのが俺達侍なんだよ!」
空中に逃れれば勝機はあるだろう。だが、それでは意味がないのだ。
銀時を完膚なきまでに叩きのめす為には同じ地上にて勝利を収めなければならない。
そうしなければ仮に勝ったとしても何かしら言い訳をされてなかった事にされるのがオチである。
それもあるが、フェイト個人が満足で勝利する為にも同じ状況下にて叩きのめす。其処に意味があるのだ。
それに、接近戦ならフェイトの得意な分野と言える。何も満足する為だけじゃない。自信があるからこそ挑んだのだ。
「乱打戦じゃ勝ち目がなさそうね……なら!」
即座にフェイトは銀時から離れた残骸へと飛び移る。流石の銀時でも今フェイトが居る所へは飛んでいけない距離だ。
そして、その距離から一直線に銀時目掛けて突進してきたのだ。
まるで弾丸だった。突発的な戦法の変化に銀時は驚き反応が鈍ってしまった。其処へすかさず弾丸と化したフェイトが突っ込んできたのだ。
それだけじゃない。突っ込むスピードを生かしつつ閃光の刃を振るってきた。
突進のエネルギーが作用してその威力は更に増す結果となった。
横飛びに避けた為に辛うじて直撃は免れたが、銀時の上着の前部分が引き裂かれてしまったのか、白い着物の生地が破けてしまっていた。
「おいおい、人の一張羅どうしてくれんだ」
「服の心配している場合?」
軽口を叩き合う二人。これがフェイトのもう一つの戦法と言えた。
乱打戦では成長期であるフェイトでは分が悪い。体力や肺活量で銀時に劣るからだ。
だが、その小柄な体を利用した突撃戦法でなら勝機はある。
弾丸と化せば銀時でも対応が遅れるだろうし、何よりスピード戦法はフェイトの十八番だからだ。
互いに自分の有利な状況を駆使し、一瞬の隙を突いて其処に付け入ろうとする。
一進一退の攻防が今、此処に展開されているのであった。
***
銀時とフェイトの激闘は此処アースラ艦内にでも映像にて見せられていた。
局員の誰もが緊迫した思いの中で戦いを見守っていた。空気が重く、そして堅い。
誰もが、同じ重い空気かと思われていた。が―――
「良いぞ、万事屋ぁ! そのまま一気に畳んじまえぇ!」
「負けたら士道不覚悟で切腹だぁゴラァ!」
「旦那〜、ぼやぼやしてねぇでちゃっちゃと終わらして下せぇなぁ」
明らかにこの重たい空気にそ
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