第26話 親は子を叱れてこそ一人前
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にしながら二人は互いに激しく睨み合った。
歯を食いしばり、両拳に力を込めて押し負けまいと必死に前進を続けた。
二人が同時に後方へと下がる。その際にお互い僅かに残っていた建物に降り立つ。
僅かに残った建築物の残骸以外は殆どが海な為にそれほど自由には動き回れない。跳躍からしての攻撃が殆どとなる。
体が比較的重い銀時よりは軽いフェイトの方が適した場所と言える。
が、不利な勝負だと言っても戦いは一瞬で決まる場合もある。そして、その秘訣は銀時の中にある蓄えられた戦いの知識にあった。
如何に場所や力で有利に運べたとしても経験や知識には及ばない。それこそが銀時の最期の武器であった。
足場にしていた残骸から跳躍し、再度両者は攻撃を開始した。
本来フェイトならこんな消極的な戦法を行う必要などはない。空中からの戦法の方が戦いやすいし有利に運べる。
だが、それで勝利しては意味がない。同じ条件化にて坂田銀時を叩きのめす。それにこそ意味があった。
今度は空中に跳躍してでの連続攻撃が行われた。
互いに一心不乱に激しく得物を振り回す。最初の初撃と同じように火花が舞い散り、衝撃が音を奏で続ける。衝撃音だけのオンパレードが展開されていた。
後先や前先の事など考えずにただひたすらに打ち込み続ける。そんな乱打戦が展開されていた。
基本、乱打戦とは無呼吸の中でひたすらに打ち続ける事にある。
故に体力と肺活量の勝負もまた乱打戦の中に組み込まれている要素と言える。
如何に魔力による加護を受けてるフェイトと言えども其処まではフォローしてくれなかったようだ。
最初に音をあげたのがフェイトだった。一旦銀時から距離を離し呼吸を整えようとする。
が、それを見逃す銀時ではなかった。
即座に空中から飛び降りるスピードを生かし真っ向から木刀を叩き降ろした。
咄嗟に後方に飛び退いた直後、先ほどまで其処にあった残骸が粉々に砕け散るのが見えた。
それだけに留まらずに、銀時は2撃目、3撃目を放ってきた。
「魔法の加護ってのも其処までは面倒みてくれなみたいだな」
銀時が其処に付け入った。確かに魔法は強大で厄介な存在だ。しかし、どんな力にも万能な力などない。万能な人間などないのと同じだ。
どの物にも優れている部分があれば劣っている部分もある。戦いとはその劣っている部分に自分の優れている部分をぶつける事で優劣をひっくり返す事が可能となるのだ。
それらが出来るのは一重に銀時が戦いの経験が豊富だからこそ言える事だ。フェイトに対して銀時が勝っている事が正にそれと言えた。
「卑怯だと思うか? 残酷だがこれが戦いだ」
未だに呼吸を整えきれないフェイトに対し、一瞬も隙を与えずに攻撃を叩き込む。
卑怯にも見えるだろう。女々しく
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