第26話 親は子を叱れてこそ一人前
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ぶちのめして来てヨォ!】
「当たり前だろうが。あの変態女にゃ借りがあるんだ。延滞料金つけてきっちり返してやるからしっかり見とけ」
【旦那ぁ、ドSチックな事するんでしたら是非俺も混ぜて貰いてぇですがねぇ】
「ったりめぇだろうが。奴を拷問する上ではお前のサディスティック精神が必要不可欠なんだよ。遠慮せず思いっきりやっちまえよな」
端末越しにエールを送る者も居れば、不吉な事を囁く者も居る。多種多様なメンバーが揃っている事に、今更ながら銀時はおかしさを感じていた。
二つの異なる世界。
この二つの世界がちょっと混じ合わさっただけでこれほどまでのカオスな空気が出来上がるなど前代未聞だろう。
これは、世界そのものが異世界を嫌うのも頷けると言う所だ。
下手に異世界の介入を許したら、それこそ収拾のつかない事態に発展しかねない。
【万事屋ぁ、最後まで頑張れよぉ。死んでも骨は拾ってやるからなぁ】
「何で俺が死ぬ前提なんだよ! 気が早すぎんだよ! デート前日の初心少年かぁてめぇは!」
泣きながら言ってくる近藤に半ば呆れながらもそう返す銀時。
近藤は何処か涙もろい一面もあるので其処まで気にする必要はないと言うのも事実なのだが。
【すみません銀さん。僕が本調子なら本来僕が其処に居るべきだったんですが】
今度はまた別の声が響いてきた。とても申し訳なさそうな少年の声だ。
「心配すんなよ執務官さんよぉ。この喧嘩は俺が自分で買った喧嘩だ。何時までもあんな小便臭いガキに負け続けたんじゃ大人の威厳がなくなるってもんだ。それになぁ、俺にゃ親としてやらなきゃならない義務があるんだよ。それを果たす為の戦いなんだ」
【親としての義務?】
「あのガキ、話だけ聞くと禄に教育受けてなかったみたいじゃねぇか。何をやっても仕置きばっかり、これじゃ頭クルクルパーになってもおかしかねぇよ」
【いや、彼女そこまで頭おかしくなかったと思うんですけど】
銀時の発言に疑問を抱きながら呟くクロノ執務官。
そんな執務官の発言を小耳に挟みながらも銀時は続けた。
「今のあいつは、何が良い事か、何が悪い事か全く判別がついてない状態だ。そんな奴を全うにさせる事が親のやるべき事だろうが。だから、俺はこれからアイツと戦いに行くんじゃねぇ。あいつを叱りに行くんだ」
【叱りに……行くんですか?】
「親ってのはガキを叱れて初めて一人前なんだよ。生憎、なのははそれに関しちゃ叱る要素が全くなかったんだけどな。今のあのフェイトには叱る要素がたっぷりとありやがる。だから俺はこれからあいつを叱りに行くんだよ」
なんとも、な言い分であった。
戦いに行くのではなく、只叱りに行くだけ。言い訳も此処までくると清清しい気がする。
ふと、自分以外の気配を感じ
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