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銀色の魔法少女
第十二話 覚悟
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れでなのはたちには察知されないと思う』

『感謝します、遼』

 私はグリムゲルデをまとい、廊下に出る。

 死体兵士の機能の一つ、『同調(トレース)』。

 これは死体兵士の持っている能力を自身に付加させる機能。

 本来、グリムゲルデの機能はもっと強力なのだが、ユニゾンしていないため、この程度しかできない。

 ……まあ、隠れるには十分だけれども。

 私はこっそり誰もいないカウンターに出て、包帯を広げる。

「私を取り巻く風よ、流れゆく水よ、癒しの力を分け与えたまえ」

 水色の光が、包帯に吸い込まれていく。

 これで準備は万端なはずだ。

 後はこれを遼に処置すれば、朝には目立たない程度には回復しているはず。

 もっとも、帰ったら本格的に治療しないといけないけれど。

「さてと」

 私は、遼にこれを渡すため、急いで廊下を走り出した。
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