第十二話 覚悟
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気が集まって、その手をカチンコチンに凍らせたの!
「ちょっと! それじゃあ、凍傷になっちゃいますよ!」
「ははは、まあ家に帰るまでの応急手当じゃ、着いたらすぐに溶かすから大丈夫」
彼はそう言うが、全く大丈夫そうに見えないの。
「じゃあの、夜道は危ないから気をつけるのじゃぞ」
そう言って彼は立ち去ろうとする。
「あ、あの!」
私は慌てて彼を引き止める。
「私、なのは、高町 なのは!」
「……、ああ、自己紹介がまだじゃったな」
彼はこちらに振り返ってこう言った。
「我のことは……そうじゃのぅ、理由あって本名は言えぬが、今はシグルドと呼ぶがいい」
「シグルド、さん」
「さんはいらぬじゃろうが、まあ、主の好きにするがいい」
そう言って今度こそ帰ろうとして、
「いかんいかん、忘れるところじゃった」
もう一回振り返ったの。
「主は何か悩んでいるように見えるが、その答えというものは案外簡単に見つかるものじゃ、一度一人になってゆっくり考えるのも手かもしれぬぞ」
side 遼
「……疲れた」
本当に疲れた。やっぱり慣れない口調はするものじゃない。
「それにしても、何であんなこと言っちゃったのだろう?」
最後のなのはに言ったあのセリフ。
何か唐突に言わなきゃいけないと思ったから言ってしまったが、実際私にもよくわからない。
けど、なのはが何か思い悩んでいるように思えたのは事実だった。
彼女が何を思っているのか理解できるほど、私はエスパーじゃない。
それはなのはだけにしかわからない。
だからこそ、それはなのは自身が解決しなければならない。
私はそう強く思った。
side クリム
帰ってきた遼が持ってきたものは、私を驚かせるには十分だった。
「はははははははは、遼!? 一体どうしたのですかこの手は!?」
いつもの大理石よりも綺麗な遼の手のひらが、それはもう無残な状態になっていた。
『クリム、うるさい、みんなが起きちゃうから念話で話して』
『了解しました、けど、これはあんまりです! 一体誰がこんなことを』
『あー、ちょっとジュエルシードの封印に失敗しちゃって、回復お願いできる?』
『任せてください! 朝までには完璧に治してみせます!』
『いや、そこまで急いだらなのはたちにバレちゃうでしょ! 傷が目立たない程度でいいから慎重にやってね』
残念、怒られてしまいました。
『仕方ありません、では魔法を付加しした包帯を作りますので、しばらく隠れておきますね』
『じゃあ、グリムゲルデの偽装を発動させておくから、こ
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