第百三十二話 越前攻めその六
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柴田は城を何重にも囲みそうしてだった、今度は蒲生と長可に告げた。
「御主達はそれぞれ城の門を攻めよ」
「城の櫓や門を鉄砲で撃ちつつですな」
「そのうえで」
「そうじゃ、一気に門を破れ」
そうしろというのだ。
「よいな」
「はい、わかりました」
「今より」
「門を一つ破れば後はたやすい」
城は中に入ってしまえばその攻めはぐっと楽になる、それはこの金ヶ崎城においても同じことであるのだ。
「そしてわしもじゃ」
「権六殿もですか」
「自ら攻められますか」
「うむ、門を破る」
まさにそうするというのだ、そしてそのうえで先陣に援軍として来た元親にも顔を向けてそのうえで彼にも告げた。
「御主にもな」
「おう、出番じゃな」
「頼めるな」
「その為に来たのじゃ」
だからだとだ、元親は大胆なまでに確かな笑みで返した。
「では喜んでな」
「わざわざ土佐から来てくれるとはな」
「戦と聞いて来ぬ訳にはいかぬわ」
「好きじゃのう、実に」
「好きじゃ、ではな」
「それでは」
こう話してそのうえでだった。
柴田は自らも兵を率いそれぞれの門に向かう、その前に何度も鉄砲の一斉射撃を浴びせる。
それから兵を前に出し門に向かう、その間も鉄砲を放つことを忘れない。
その鉄砲の一斉射撃にだ、朝倉の兵達は目を剥いて驚いた。
「な、何じゃこの鉄砲の数は」
「五百か、それ位はあるぞ」
「その様な数で撃たれてはこの金ヶ崎でも危ういぞ」
「全く何という音じゃ」
「壁がどんどん壊されていっておるぞ」
鉄砲によるものであることは言うまでもない。
「これでjは守りきれぬ」
「しかも門に兵達がどんどん来ておるぞ」
「何という速さじゃ」
「もう門の前まで来たではないか」
驚いているその間にだった、織田家の兵達は橋や堀を抜き問の前まで来ていた。元親はその門の一つを前にして己の紫の兵達に叫ぶ。
「よいな、これよりじゃ」
「はい、門を砕きですな」
「そのうえで」
「城に入る、よいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
紫の兵達が門に丸太をぶつけていきそしてだった。
門を瞬く間に砕き突破した、そのうえで城に雪崩込む。
「降る者は武具を外させよ!」
「歯向かう者だけを斬れ!」
こう叫びながら城の中に雪崩込む、それを受けて。
蒲生と長可も門を突破する、そして柴田も。
柴田は壊された門を通り抜ける織田の兵達を見つつ確かな顔で言った。
「この戦勝ったな」
「はい、これでこの城は我等のものです」
傍らにいる生駒が応える。
「金ヶ崎は我等のものです」
「そうじゃな、ではじゃ」
「はい、後は」
「これ以上の戦は意味がない」
勝ちが決まった、それではというのだ。
「命を助ける代わり
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