一日目(3)
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き慣れた声がして振り返ると、毎朝遅刻すれすれで登校して来る幼馴染の萩原悠哉がいた。
「あれ?悠哉、今日は早いんだな」
珍しい事もあるもんだいつも予鈴すれすれに登校してくるのに。
「まあな、なんか妙な夢を見て飛び起きたんだよ」
こいつもか
「妙な夢?それってどんな内容なんだ?」
善則が好奇心をむき出しで尋ねる。
遠慮無い奴って良いなぁ…
無神経になるつもりは無いけど。
「それがなぁ、信じられない内容でさぁ……なんと…………」
バコッ!!
「勿体ぶんな、さっさと言え」
善則……容赦ねぇなぁ、悠哉…涙目になってんじゃん。
「あぁハイハイ分かったよ、実はな…大樹に妹が居たんだ」
……………………ゑ?
「しかもな、大樹とその妹が仲良くてさ、もう見ていられないくらいベタベタしてて気味悪くなって飛び起きたんだ」
何……ソレ?
I・MO・U・TO?
「なんとも……突拍子も無い夢だな…お前の頭の中どうなってんだ?」
呆れたように善則が言う。
そうだ、僕に妹なんて突拍子無さ過ぎる。
別に僕は妹が欲しいとか小さい子が好きとか言った覚えが無いし。
シングルマザーだし。
兄妹なんて単語、僕には無縁なのだから。
「そうなんだよな、寝る前に『MASK THE BIKEMAN~BEETL~』を見てたからかな?」
なんで6,7年くらい前の特撮ヒーローなんて見てるんだよ!
MASK THE BIKEMAN(以後MTB)は僕らが小学生の頃に流行った特撮ヒーローで主役が帰国子女の超イケメンだったので女子から大人気だったシリーズだ。
内容は確か……突如隕石が飛来してきてその隕石からエイリアンが出てきて、そいつらから地球を守るために組織が創られ、その組織が開発したパワースーツを装着した主人公がハイスピードで戦うんだけど実はその主人公はその隕石のせいで妹と生き別れているという感じのストーリーだったと思う。
「影響されやすいんだな、悠哉は」
まぁ突拍子もないけど夢ってそんなもんだよね。
「そうかもな、にしてもやっぱあのシリーズが一番面白いな、今の奴ってなんかデザインがカッコいいじゃなくて斬新って感じだし」
それについてはよく分からないな、この歳で特撮ヒーローなんて見ないし。
「そうだよな、もう見た目がギャグにしか見えなくなってきてるよな」
善則は今でも結構見てるらしい。
「今でも特撮ヒーロなんて見てるの?」
小馬鹿にした言い方にならないように気をつけて聞いてみると、二人は真剣な顔になる。
「まぁ確かに世間一般的には小学生向けってイメージがあるけど、ストーリーは中々面白いし、キャストも可愛い子が結構出たりする、主人公がイケメンだから女子も見るし需要は
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