停止教室のヴァンパイア
第1話
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この部屋は殺風景だ。年頃の娘が集まるにしても、魔方陣だらけはどうだろうか」
部室を見渡しながら、魔王さんは苦笑した。変な部屋なのは否定できない。
「お兄様、ど、どうしてここへ?」
怪訝そうにリアス先輩が質問する。そうすると、ポケットから一枚のプリントを取り出した。
「何を言っているんだ。授業参観が近いのだろう? 私も参加しようと思っていてね。ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
そう言えば、授業参観がありましたね。父さんは有給を取って見に来ると言っていたな。
「グレイフィアね? お兄様に伝えたのは」
「学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任されている私のもとへと届きます。無論サーゼクス様の『女王』でもあるので主への報告も致しました」
それを聞くと、リアス先輩は嘆息した。どうやら乗り気ではないらしい。
「報告を受けた私は魔王職が激務であろうと、休暇を入れて妹の授業参観に参加しに来たかったのだよ。安心しなさい。父上をちゃんと来られる」
「そうではありません! お兄様は魔王なのですよ! 仕事をほっぽりだしてくるなんて! 魔王が一悪魔を特別視されてはいけませんわ!」
「いやいや、これも仕事さ。三すくみの会談をこの学校でやろうと思っていてね。その下見に来たんだよ」
その発言にみんなが驚いた。例外はいない。
「―――っ! ここで? 本当に?」
「ああ。この学園はどうやら何かしらの縁があるようだ。偶然では片づけられない事象が重なっている」
確かに、この学校は普通じゃないので、わからなくもない。
「そう言えば、初対面の子がいたね。初めまして、魔王のサーゼクス・ルシファーだ。リアスの兄でもある」
突然の話題変換についていけなくなりそうだ。
「は、初めまして! 『兵士』の兵藤一誠です!」
「『僧侶』の、あ、アーシア・アルジェントです」
「『騎士』のゼノヴィアだ」
ゼノヴィア以外は緊張した面持ちで自己紹介をした。
「赤龍帝に癒し手、それに聖剣使いか・・・・・・・。妹の眷属は楽しいものが多くていいね。リアスの眷属として、グレモリーを支えてくれ。よろしく頼むよ。それで、そこのキミは?」
「人間の『仮の駒』の兵藤渚です」
一礼して名乗る。
「ふむ。見事な男の娘だな。レーティングゲームの時も画面越しで見ていたが、本物は違うな」
うんうんとうなずく魔王さん。男の娘扱いはもうあきらめることにしました。気にしたらきりがない。それに婚約の件については何も触れてこないようなので安心した。
「さて、自己紹介も終わったところ
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