一章 七話 とある殺人ギルドの首領
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「・・・・・早く来すぎた」
待ち合わせの場所についてから30分。
約束の時間までは、あと十五分もあった。
昨日妖精に、8:00にこの場所、と告げられた時に感じたのは、[あれ、この展開、どう受けとればいい?]
次いで、[絶対に遅れられない]。
だって、こっち謝ってる側だし。遅れたら一生和解とかできなさそうだし。
てか蒼い少女の目、いろいろ感情含み過ぎててめっちゃ怖かったし。
てな訳で、いつもより一時間程早くいそいそと起き出し、この場所に着いたのが7:15。
緊張からカチンコチンで、直立不動。立ちっぱなしでここまで。
正直疲れた。
あー、帰りてー。でも帰れねー。でも帰りてー。
ガッチガチのロボット歩きで、転移門の周りをウロウロ。
と、
「どうしたんですか?その歩き方」
呆れたような声。
ああよかった。少し笑いを含んでいる。
「こ・・・こんにちは」
何とか笑みを作ってあいさつ。
すると、”蒼の妖精”は、笑って言った。
「あはは、まだ、おはようの時間ですよー」
ことさら明るく振る舞おうとしているが、むしろそれが裏目に出ている。
それを見ていると、何だか申し訳なく思えてきて、
「すっ、すんません、すんません」
体が勝手に土下座モード。
・・・・・って、このところこのモードの出現率、異常に高くないか!?
出会って一分で土下座な俺を、
奇妙なモノを見るような目でみつめてから、蒼い少女はため息とともに言った。
「いいから、早く出発しますよ!」
「ここって・・・・」
「あれ、知ってたんですか?」
「あー、うん、まあな」
そんなわけで、俺は”アベンジャーズ”のアジトへ突入する事になりそうなのですというかなんというか心の準備が・・・・・・
広場の入り口で動かなくなった俺を見かねて、蒼い少女が俺の首根っこを掴んでずるずるずるずる。
「あっ、ちょっ、ちょっと待て! 早まるな! 待ってくれー!」
情けない声を上げて、ラーク、討ち入りです。
「やあ、フェイト君、待ってたよ」
その、むしろこの場にふさわしくない、おどけた声は、ご丁寧に、広場の入り口から奥まで、道を作るように整列した”アベンジャーズ”の構成員たちの奥から聞こえた。
蒼い少女が俺から手を放し、その声の方へ。
頭を打った俺は、フラフラとする頭を支えながらも後に続く。
「・・・・・野武士?」
”アベンジャーズ”の親玉は、野武士だった。
いや、クラインのことではない。
というか、むしろ奴よりも約1.7970811倍程野武士率が高い。(株式会社ラーク調べ)
そう、それはまさに進化。
野武士の進化系・・・・・
「・・・落武者?」
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