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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
一抹の激突
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。
「バカな………。この世界の緩みきったヒトが心意に目覚めるなんて……………」
ユージーンには、その言葉の意味は欠片もわからない。しかし、唯一解かることがあるとすれば、それは自分の身体のことだ。
身体の奥底から、力が湧き上がってくるような、一種異様な感覚。
恐ろしいほどの力の余波か、強く踏みしめた足の裏の地面がビシ、と悲鳴に似た
声
(
ヒビ
)
を上げる。
我知らず、口元から雄叫びが上がる。めしっ!と足が足首まで埋没される。
それに呼応するように握った《魔剣》が血のような紅い輝きを放つ。それに耐えかねたように、爆発的な推進力が足に宿る。
「いくぞぉおああぁぁぁぁぁぁぁぁーっっっっ!!」
絶叫。
直後に轟音。
漆黒の閃光と、紅い閃光が空中で激しく激突した。
衝撃波が撒き散らされ、地上にいた全員が足を踏ん張って何とか堪える。中には無様に転がっていく者もいた。
べぎごぎぼぎィ!と、何かが折れるような、何かが壊れるような音が連続して響く。二人が重なるようにして沈黙する地点を中心に、赤黒いオーロラがカーテンのように空に架かる。
空が侵食されていくような動き、いや実際に侵食しているのだ。ゲームバランスやその他を超越した存在として、正常なものを侵食していく。
至近距離で鍔迫り合いをするレンとユージーン。
眼と鼻の先にある互いの顔を睨み合いながら、レンは言う。
「まさか……、一気にここまで覚醒するなんて、ね。びっくりしたよ」
ぎしぎし、と壮絶なまでの力の拮抗をするのに、紅衣の少年は笑っていた。心の底から楽しそうに、笑っていた。
しかしそれは一瞬のこと。
近距離にある闇色の眼が、スッと唐突に細められた。
「だけど、遊びは終わり。覚醒したばっかりの、その玩具の剣で本物の刃は斬れはしないよ」
その言葉が放たれると同時、レンの身体から立ち昇っていた瘴気のような過剰光が風に乗ったかのように、真正面に集まり始めた。
ずずず、と音もなく煙は集まり、徐々に小さな小さな球体のような物体として構築されていく。
やがて、小指の爪の先程までに圧縮された漆黒の球体は、何の前触れもなく万有引力に引かれて落下し始めた。
しかし、その球体が消えたのは、地面ではない。
二人が上空に浮かび、本来ならば地面があった場所。球体はそこに、まるで水面に落ちた水滴のように────
波
(
・
)
紋
(
・
)
を
(
・
)
描
(
・
)
い
(
・
)
た
(
・
)
。
そこには何もない。
ただ仮想の空気が存在しているだけなのに、波紋は消えない。しつこいほどに空中に残っている。そして、異常な現象はそれで終わりではなかった。
球体が落下し、消えた地点から漆黒の
円
(
サークル
)
が凄まじいス
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