階段にて
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
キリトの左手と右側の襟を取ると、踏み付けた足を基点に身体を半回転させ左足を階段の段差で固定する
そして今度はその左足を基点にキリトを回転に巻き込みつつキリトの右足を払った
「全員しゃがめ」
俺の声に反応して前にいた面々が地面にしゃがみ込む
これで憂いはなくなった
足を払い宙に浮かんだキリトを勢いそのままにぶん投げる
柔道というのは技をかけている途中に手を離してはいけない
なぜならば危険だからだ
スポーツの意味での柔道は手を離さず、地面に相手がつく前に上に腕を引く
故に相手にダメージを与えたい場合はぶん投げるか、たたき付ける場所につま先を立てておくかしなければならない
「うおおぁぁぁぁ!?」
奇妙な叫び声をあげ、キリトはしゃがみ込んだ四人の頭上を越え、着地
しかし、かなりの勢いで飛んでいったキリトに摩擦力が低い床で止まれるはずがなく、そのままの勢いで階段を下へ下へとドップラー効果によって間延びした悲鳴を響かせながら消えていった
「シノン、大丈夫か?」
「う、うん。ちょっと驚いただけ」
「ならよかった。……というかケットシーのしっぽって感覚があったんだな」
実際には存在しない部位だから神経が通ってない、飾りのようなものだと思ってたが
「シリカちゃんから聞いた話によると、触られると妙な感覚に襲われるんだって」
「所謂、性感帯ってやつだな」
リーファの言葉をついで、野武士がニヤニヤと笑いながらゲスな言葉を出す
その言葉にシノンは顔を真っ赤にして俯いてしまった
「クライン……少しは学習しな」
キリトと同じように奈落へとご招待
こちらは野太い叫び声をあげて闇に消えた
「あははは……」
消えた方を見て苦笑いを浮かべるアスナとリーファ
ユウキは逆に楽しそう
「リン!」
「どうした?」
モジモジとなにやら葛藤していたシノンが勢いよく俺の名前を叫んだ
「リンならしっぽ触ってもいいよ?」
シノンは俺から見て後ろを向き、尻を左右に軽く振る。その動きと同調し、左右に揺れるしっぽ
……俺だって健全な男ってことを忘れてないか?
「じゃあ……触るぞ?」
とはいえ、こんな他人の目があるところで理性を飛ばすほど俺は野獣ではない
だからリーファとユウキはそんな期待した目で俺を見るな
「う、うん。優しくしてね?」
手の平を大きく広げ、目の前で左右に揺れているしっぽを優しく包み込むように掴む
フワフワと柔らかいが、中にはしっかりと芯のようなものが通っている感触がする
手触りは滑らかで先程も言ったようにフワフワとして柔らかく、しなやかだ
「ふわっ!?……あ……んっ……」
指を少し立てて、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ