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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-5 第17話
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です。昔話で聞いた、“妖精の笛”を使われたのですか」
「ええ。おかげで攻撃を喰らわずに倒せましたけど」
「そうですか。……私達ももっと鍛えなければ、これからは私達がメルキドを守らなければなりませんからね」
「お前はあんまり頼りにならないがな」
途中で入ってきたのは中年の兵士。彼も門番の兵士であり、恐らく若い兵士の上司だろう。
若い兵士はまた苦笑いしながら頭をかく。
「お前はさすが強いんだな。ゴーレムはパワーだけでなく、打たれ強いからな。やつはそう簡単にくたばるもんじゃなかったよ」
「ええ。僕は……竜王を倒す為に旅をしているのです」
ローラ姫を救出したからと言って、すぐさまハルカが勇者ロトの子孫だと信じてもらえるとは限らない、そうハルカは感じていた。
しかし、兵士達は肯いてハルカを見つめただけであった。
「そうか。……ここで情報を集めることが出来るかもしれん。俺はロトの鎧の話を何処かで聞いたことがあったし」
「ロトの鎧……!」
「詳しくは俺も知らんが、メルキドには詳しく知っている奴もいる。特にここに住む賢者がそうだ。しかし……」
中年の兵士は渋い顔をした。何か良からぬ情報があるのだろうか。
「しかし?」
「あそこには強力なバリアが張っておる。足を踏み入れると体に大ダメージを与える。不用意な若者が安易に足を踏み入れて死んでしまった話を聞く」
「……」
ハルカは絶句と呆れの表情を浮かべた。何の為にそんなことをしたのだろうかと思っていた。
「まあ、それ以外にも色々あると思うから思う存分歩き回るといい」
「……はい、解りました」
ハルカはメルキド兵士二人に礼を言うと、歩き出した。

メルキドの街は石造りの建物が多い街。
ラダトームやリムルダールとはまた違った町並みである。
今は夕方。夕飯の準備をする女性の姿が多い。
「今日の晩御飯は何にしようかしら……」
そんな声もちらほら聞こえてくる。
「いらっしゃい!今日は大根が安いよ!」
威勢のいい男性の声も聞こえる。
(大根って、どんな食べ方するんだろう?……僕には想像つかないけど……サラダ?)
大根の存在は知っていたが、ハルカはそれを使った料理をほとんど知らない。しいて言えば、異国の食べ物のような“大根おろし”位なものか。

その日ハルカは、宿屋に泊まることにした。
部屋でハルカはローラ姫と会話をした。
ハルカはメルキドにいること、旅の出来事、ローラ姫は料理と裁縫の修業の話をした。
「近いうちに帰ってきてくださると嬉しいのですが」
「……と言いますと?」
「お父様達がハルカ様のために新しい鎧を作ったのですわ。もうすぐ寒い季節ですから、寒さにも強いように、魔法の力が宿っているんです」
オパールの月も終わりを迎える。段々と冷えてくる。余談だが、メルキドに
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