Chapter-4 第14話
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ハルカはジャンに指された方向に目をやると、小さく“まあ、銀の竪琴を持っていっても、銀の竪琴が嫌だと言ったら残念だけど諦めるしかないね”と書かれていた。
ハルカは呆れながらも銀の竪琴に手をやる。すると、
「やっと俺を持っていっていい奴が現れた」
と声がした。銀の竪琴がしゃべっているのだ。
「……意思、持っていたんだね」ジャンが唖然とした顔で行った。
「そうだね」ハルカも苦笑いしながら銀の竪琴を手に取る。
目的は果たした。
「ジャン、悪いけどここでお別れだ。短かったけどありがとう」
「うん。君は竜王を倒すんだよね。それと、リレミトを覚えているんだね。楽しかったよ。さような……、うわあああっ!?」
「ジャン!?」
見るとジャンは体に切り傷を受けて倒れていた。
「くそっ、べホイミ!」
「……ゴメン、あ!ハルカ!逃げて!でかい死霊の騎士が!!」
ハルカは背後に殺気を感じ、とっさによけた。ドスッと鈍い音をたてて剣が振り下ろされた。
「……な、何だよ!?」
後ろを見ると、2メートル以上ありそうな、特別大きい死霊の騎士がいた。
「う、うわああ…」
「ジャン、君は下がって!僕はあいつの相手をする!おいお前!こっちには手を出すな!ギラ!!」
巨大な死霊の騎士は動きを止める。
「お前、竜王の敵だな。……くそ、火傷した。……ここでお前も一緒に朽ち果ててもらおうか!」
「黙れ!」
ハルカは目のない死霊の騎士の顔を睨みつけた。すると巨大な死霊の騎士はホイミを唱えた。
「うわあ、回復呪文使いだよ!ハルカ……」
「大丈夫だ。ここで負けては僕はロトの勇者の末裔失格だ。絶対に負けない……“横一文字”!!」
ハルカの剣は死霊の騎士の赤い衣服(?)を切り裂く。骨が砕く音もする。
しかし死霊の騎士はホイミを唱える。「無駄だ。俺はホイミを唱えられるんだ」
「ハルカ…」ジャンは心配そうにハルカを見つめる。
ハルカは表情を変えずに剣を死霊の騎士に向ける。いくらか手傷を負わせると、
「じゃあ、こうすると?……マホトーン!」
「なっ…!?魔法封印の術か!」
巨大な死霊の騎士は狼狽した。
「僕はただの戦士ではない。一人で戦ってるからな……“二重十文字斬り”!!」
鮮やかに死霊の騎士を捕らえる。
「あああ゛っ……」
ガラガラと音を立てて、死霊の騎士は呆気なく崩れ去る。
「は、ハルカ……強いんだ…凄い!」
「僕はまだまだだよ。ベギラマも習得しなきゃ。ジャン、大丈夫?」
ジャンの体はハルカのべホイミのおかげで傷一つない。
「うん。さ、今度こそ、さよならだね…。僕はもうしばらく、ここにいるから」
少し寂しそうに言うジャン。ハルカも名残惜しそうな顔をする。
「そうなんだ。……じゃあ、僕は行くからね。……さようなら、ジャン」
「ばい
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