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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第14話
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小さな妖精が現れた。ダンジョンの奥深く、目的地である墓石(とガライの遺体)本体の前。
「ん?君は?」
「あれ、僕が見えるの?」
「ああ。岩山の洞窟にいた豆人とは違うようだね」
「そうだよ。僕も豆人、名前はなくてもいいけど僕は名乗ってる。僕はジャン。君は?」
ジャンと名乗る豆人は岩山の洞窟で出会った者より少しからだが大きい。
「僕はハルカ。なんだか久しぶりで嬉しいよ」
「僕も久しぶりに人間と話せた。どの位そんな人間に会っていなかったか忘れたくらい久しぶり。ハルカは特別な人間の血でも引いているの?」
ジャンは嬉しそうにハルカの周りを飛び回る。
「僕は勇者ロトの血を引いているんだ。知ってる?」
「うん。昔、仲間と共に大魔王を倒した伝説の英雄だよね。凄い!子孫なんだ!良かった。大魔王を倒した後、行方不明って聞いたから。子孫がいたということは行方不明になった後でも何処かで生き続けたんだね」
ジャンは勇者ロトについて意外なほど知っていた。聞くと、そういう話は大好きだからと答えた。
「ああ。上の世界というところに戻って行ったらしいんだ。僕の父さんが異世界出身って聞いて」
「異世界!?凄いや!僕、そういうの好きなんだ。詳しく知らない?」
「うーん、そこにアリアハンという国があるということは知ってるけど」
ある男の忠告をあっさり破るハルカ。もっとも、相手が相手だけに大丈夫だと思ったのであろう。
相手は普通の人間には見えない種族だから。
「へえ。まあ、なかなか異世界にはいけないから仕方ないね。あ、そうだ。もしかしてここに来たのって、銀の竪琴を探しにきたの?僕が案内してあげる」
「ありがとう、お言葉に甘えさせてもらうよ」
ハルカはジャンの案内に沿って目的地である、墓石と銀の竪琴のある場所に着いた。

そこにはガライの遺体も安置されていた。それは、椅子に座っており、服はボロボロになってはいたものの、所々鮮やかな色が見えた。さらに、様々な美しい宝飾を身にまとっていた。腐敗は400年たっているとは思えないくらいだ。“腐った死体”という魔物に比べると豪華な見た目だ。
椅子の近くにある墓石には、“銀の竪琴はご自由に持って行って下さい。ただし、私の身に着けている宝飾は奪わないでください。もし、これを破った場合は、呪われるかもしれません”と書かれていた。
「銀の竪琴は持って言っていいんだな。ありがたく持って行かせて貰うよ。恐らく、訪れようとして死んだ人々はこれが目当てだろうね。でも、自由に持って行っていいって、僕の前にここまでたどり着いた人が出てくるって考えなかったのかな」
「いや、恐らく君へのメッセージなんじゃないの?僕はここ数十年は君以外にまともに生きている人間を見ていない。それに、たどり着いたとしても、……ほら、小さく端っこに文字がある」

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