幕間
Trick-02_なんか青く晴れた空、碧空(へきくう)みたい
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僕の名前は信乃。
今年で3歳になります。
僕の家は、武術の道場をひらいています。
“そーごーかくとーじゅつ”とか言って、剣や棒や武器を使ったものからいろいろあります。
僕は道場の後継ぎということで、3歳の誕生日から
師範の父上に直接修行を見てもらっています。
「こら! 足が下がっているぞ!」
「ひゃ、はい!」
後で知ったことだけど3歳児にここまでの修行は虐待に近いと思う。
1日の半分を修行されられているよ〜。
「よし! 今日はここまで!」
「・・はい」
激しい運動をしたので、僕は肩で息をしていた。
「うん、今日もよく頑張ったな」
父上は優しく僕の頭を撫でた。
修行以外だったら優しい父上だ。
「おや、修行は終わったんですか?」
家に戻ると台所から母上が顔を出した。
「うん!」
僕は元気よく頷いた。
母上は僕に近づいてタオルで頭と顔の汗を拭いてくれた。
「お父さんは真面目だから子供の信乃ちゃんにも手加減ができないんですよねー」
母上は冷めた目で一緒に入ってきた父上を見る。
「うっ! で、でも、大事な跡取りなんだから今から鍛えた方が・・」
「大事な跡取りならもう少し一般的なことを教えた方がいいと思いますよ。
どっかの誰かみたいに愛の告白で土下座をすると恋人ができなくなってしまいますし」
「た、頼む姫、それはもう忘れてくれ(泣)」
父上がうなだれたようにうつむいた。
優しいが強い、そんな父上も母上には絶対に勝てない。
見た目は比べるまでもなく父上が強そうなのに。
一見すると中学生にも見えるほど母上は幼い見た目をしている。
(場合によっては小学生でも通用する。しかも頭に大きな黄色のリボンを
着けているから余計に幼く見える)
本当は父上と同じで20歳くらいだけど、僕とも父上とも一緒に歩いていたら
兄妹(僕と一緒だと姉弟)扱いされる。
父上の方は普通の20歳くらいと同じ見た目、ただしとってもかっこいい。
自分の父上と贔屓目で見てもかっこいいと思う。
実際に家族3人で歩いていても女の人達が父上に一緒に遊びに行こうとよく誘ってくる。(逆ナンと言うらしい)
その女の人達は僕と母上を妹弟として見るので
「兄妹の仲がいいんですね」「可愛い妹さんですね、素敵なお兄さんですこと」
とか言ってくる。
夫婦だと説明したときはロリコンをあわれむ眼で見られるのは毎度のこと。
そんな2人は高校生の時に出会った。その愛の告白に父上は土下座をしたのを
良くからかわれている。2人は高校を出てすぐに結婚した。
僕もその1年後に産まれた。
僕の家は道場をひらいていると言ったけど、家には父
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