暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick-02_なんか青く晴れた空、碧空(へきくう)みたい
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る」

「うぇ?」

もう一度鏡を見ると瞳の色が黒色に戻っていた。

「・・・・・なんだったんだ?」

「ん?」

夢幻と思いたかったけど、さすがに2人とも同じものを見たから間違いじゃないはず。

あ! そういえば美雪が襲われて落ち込んでいたシリアスな場面だった。

僕の目のせいで美雪がそれを忘れているのかな?
うん、だったら思い出さないように適当に誤魔化してみるか。

「よし、それじゃ帰ろうか! 今日は早く帰ってきなさいって言われているし!」

「ん♪」

僕の差し出した手を掴んで美雪も立ち上がった。



明るくふるまって襲われたことを忘れさせる作戦とはとりあえず失敗した。

あの時は明るい返事をしたけど、少し歩いたところで僕の腕にしがみつきながら
美雪は体を震わせた。

それでも美雪は歩くのをやめなかったから僕も気にしないふりをして歩き続けた。

帰り道はずっと腕にくっついて美雪は離れなかった。
泣きやんだが目は赤く腫れていてずっとうつむいている。

腕にくっつかれた状態で帰ったから周りに見られて恥ずかしかったけど、
それよりも今の美雪を離すことができなかった。

「ただいま」

「おかえりなさい、信乃ちゃ ・・って美雪ちゃんどうしたんですか!?」

「学校でちょっとね。でも僕がいるから大丈夫だよ。すぐに部屋に行くね」

「・・・おやつは?」

「うん、食べる。けど・・・・」

「わかったです」

今は美雪をどうにかしたほうがよいと母上も察してくれたみたい。

僕の部屋に入ってから、2人とも畳に座る。ちなみに僕の部屋は和室。
そして美雪が体重を預けるようにして僕に抱きついてきた。

泣いてはいない。体を震わせてもいない。

共に小学生同士なので身長の差はない。だから美雪の頭は僕の頭の横にある。
どんな顔をしているか解らないけどそんなのは関係ない。
僕はただ美雪の体温を感じていた。

美雪の頭を撫でる。美雪もただ僕の存在を感じるように抱きついている。
何もしない、数分の沈黙は少し悲しい感じだけど幸せな時間が過ぎた。


「ん♪

 信乃、愛しています♪ 結婚してください♪」

「はいはい、大人になっても両想いのままだったらね」

「ん♪ だ〜い好きだよ♪」

いつものやり取りをして美雪は僕から離れて正面に座った。
笑顔に戻っている。やっぱりこの笑顔は僕は大好きだ。

「はいは〜い。おやつを持ってきたですよ」

タイミング良く母上がおやつを持ってきてくれた。あれ? のぞかれてた?

たぶん部屋の入り口で待っていたのかもしれない。母上に「大好き」のやり取りを
聞かれた? 少し恥ずかしい。

「姫
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