幕間
Trick-02_なんか青く晴れた空、碧空(へきくう)みたい
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上の父上、僕のおじいちゃんは
いない。
父上も母上も両親が共にいない。小さい時に亡くなったそうだ。
さらには親戚関係は全くない。父上の父上が家族とケツベツして道場をひらいたのが
今の家にある道場。
母上も両親が亡くなったときに脳に怪我をして、引き取られて育てられた。
引き取った人も家族はいないみたいで、本人は今は世界中を旅しているらしい。
僕はその人に一度も会ったことないけど、母上にどんな人か聞いてもよくわからない。
赤いだの、強いだの、糸が効かないだのとよくわからない説明しかされない。
親戚がいない代わりに道場の門下生の人たちが僕の親戚みたいなものだ。
3人しかいないけど、みんな僕を可愛がってくれる。
とくに一番弟子の小日向さんは同じ年の子供がいるようでとくに可愛がってくれる。
まぁそれはともかくおなかが減った。
「母上、お昼ご飯はまだですか?」
「もうできてるですけど、その前にお風呂に入ってくるですよ〜」
僕と父上は一緒にお風呂に入って汗を流し、その後に母上の手料理を食べた。
「こんにちわー」
お昼すぎ。
母上に糸の使い方を教えてもらっていたら玄関から大きいけど元気のない声が聞こえた。
「はいはいですよ〜」
玄関に向かう母上について僕も付いて行った。
扉を開けると一人の青年が立っていた。
大人し目の色の背広にネクタイをしてない格好。
「あ! 師匠じゃないですか!」
母上は弾かれたように笑った。
父上や僕の前では優しい笑みを見せるが、こんな笑顔は珍しい。
「ひさしぶりだね、元気にしてた?」
「はい、私共々家族全員が勇気凛々ですよ」
「・・・ひょっとして≪元気満々≫じゃないかな、それ」
「そうとも言います。あ、信乃ちゃん。この人は私が前に住んでいたアパートで
お世話になった人です。信乃ちゃんもあいさつするですよ」
「はじめまして、西折信乃です。3歳になります」
「・・・姫ちゃんの子供なのにしっかりしている・・・」
「師匠、失礼ですね」
母上は『師匠』と呼んでいるけど、すごい人なのかな?
全くそうは見えないけど。
体は大きいわけでもないし鍛えているようにも見えない。
“はき”も“おーら”とかも感じないのに。
「これ、おみやげ」
「八橋ですか。京都を離れていたんでひさしぶりに食べたかったところです。
まさに甘辛牡丹餅です」
「≪棚から牡丹餅≫ね」
「遊びに来たって感じじゃないみたいですし、何の用事があってきたですか?」
「いや、潤さんが賢者の石を見つけてね。それを聞いた別の依頼人も欲しいと
せがんできたのを僕に依頼の横流しをされ
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