【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 六話 〜カリン VS イシス〜
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うな積み方をした。
積み終えてスタートの合図を出しても、イシスは瓦に近づこうとしない。持っている杖を前に向けて、睨みつけているだけだ。
一体どうするつもりだ? と思った瞬間――。
イシスの杖から水が細く放出された。非常に小さな水流だが、勢いは強い。まさか、こいつ……。
「あ、念の為に言いますけど、近付かないでくださいね。これ、ウォーターカッターですから」
そう言ってイシスは杖を少し上に向けて、水流を瓦へ当てていく。
杖を小刻みに動かし、次々と瓦を切っていく。五分くらいそうした後、水流を止めてイシスがこちらを振り返った。
「さぁ、大体五十枚以上は割れているはずです。数えてみましょうか?」
「いやいや、そういう対決じゃねえからこれ! それにそれは『割る』じゃなくて『切る』だろ!」
「違いがよくわかりません。『割る』も『切る』も、結果は同じじゃないですか。何が違うのか説明してください」
「なにとぼけてるアルか! ぶっ飛ばすアルヨ!」
「勝てばよかろうなのです。こういう発想ができなかった貴方の負けですよ」
「ぐぬぬ! お兄さん、次のお題!」
次のお題は早食い対決。ナーガ捕獲のついでに捕まえた卵をカリンとイシスに食べてもらう。
これは瓦割りとは違い、同時にスタート。制限時間はないが、卵が全てなくなった時点で終了。多く食べたほうの勝ちとなる。
「これなら絶対に負けないアルヨ! さぁ、覚悟するネ!」
「私、この対決は棄権します」
「はぁ!? なんでアルか!」
「勝てない勝負には挑まないだけです。私は自分のキャラ付けを歪めてまで貴方に勝とうと思いません。貴方は活発な印象をもっているので早食いをしてもイメージダウンにはならないでしょうけど、私にはそういうイメージはついていないので」
「なんかすげー馬鹿にされた気分アル……」
中間的な立ち位置の俺でも、イシスの発言は少し小馬鹿にしているように聞こえたが、イシスに悪気がないことは分かっている。誰に対しても、どんな相手でも、こういう言い方しかできない奴なのだ。そういうところをカリンに知ってもらいたかったのだが……すごい誤解を招いてそうだ。
「それで、最後のお題はなんですか?」
「最後のお題はそうだなぁ。キャラから外れない内容の対決にしないといけないんだろ? うーん……そうだ、お前ら女の子だから、女の子らしさ対決とかどうだ?」
「女の子らしさ対決……? それ、何するアルか?」
「例えば性格とか、趣味とか、スタイルとか」
「スタイル……」
イシスが一瞬ビクッとした。カリンと我が身を交互に見つめた後、視線を地面に落とし、左手でアゴをつまみ、頭を巡らすような表情をしている。そして顔を赤くした。何を考えているのだろうか。顔を赤くするようなことはしないつもりなんだが。
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