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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十四話 ロマーニャの街@
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じゃあトラックを停めてくるから、そう言い残してシャーリーとルッキーニは行ってしまった。さすがに往来のド真ん中に軍用の大型トラックを停めるわけにはいかないのである。地理の案内はルッキーニがいるから、駐車場所も見つかるだろう。
「じゃあ、二人で手分けしてさがそっか、和音ちゃん」
「いえ、それでは迷子になってしまうかもしれませんし、一緒に行きましょう」
「そうだね。行こう、和音ちゃん」
「はい!!」
ズシリと重い軍資金の入った財布をしっかりと握りしめ、宮藤と和音は街の大通りへと入ってゆく。普段は見かけない東洋人の二人連れ―未来人が若干一名―を物珍しそうに見やる人もいたが、そこは古来よりウィッチの街。和音たちがウィッチであることを知ると、ブリタニア語で親切に道を案内してくれた。
「親切な人たちでよかったね〜」
「ですね。わたしもブリタニア語を勉強してよかったです」
「あれ? 和音ちゃん語学苦手なの?」
「ええっと、その……まあ、なんと言いますか、人には向き不向きというものがありまして……」
頬をかきつつ言う和音は、唯一語学だけが大の苦手だった過去がある。
先ほどの道案内の際にも、スラスラと滑らかな口調でブリタニア語を操る宮藤を見て大層打ちのめされていたりするのだ。
(一体いつブリタニア語を勉強したんだろう……?)
やはり習うより慣れろと言う事なのか……とどうでもいいことで頭を悩ませていると、宮藤が通りの向かい側で手を振っていることに気がついた。
「どうしたんですか、宮藤さん」
「あのね、さっきのおじいちゃんが、この先に青物市場があるって」
「なるほど、食材の調達ですか」
和音はしばらく考え込む。どのみち、一度に全ての買い物を済ませることはできない。何度かトラックを往復することになるだろう。だったら、先に見つけた青物から買ってしまおう。
「じゃあ、行ってみましょうか」
「そうだね!!」
お爺さんに礼を言って、二人は大通りを進んでいく。
手にした編み籠を揺らしながら、二人はロマーニャの街を歩いて行った。
「この辺に駐車しておけばわかるだろ……よっと!!」
ようやく大きなトラックを駐車できる場所を見つけたシャーリーは、ドアを開けてトラックから降りる。ちょうどそこは、集合場所の噴水広場からもよく見えるところだった。
「ねぇねぇシャーリー、鍵掛けとかなくてもいいの?」
「ん? ああ、そしたら宮藤達が入れなくなっちゃうだろ? それに、軍のトラックに堂々と盗みに入るような間抜けなんていないさ」
ここはウィッチの街だしな、と付け加え、すっかり退屈していたらしいルッキーニを抱きかかえると、シャーリーはメモ帳を取り出して買い物を確認
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