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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第32話 白銀と漆黒T
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全ては、あの時の贖罪の為。ギルド《月夜の黒猫団》の為に。
「はぁ……やっぱり あの話のせいかよ」
クラインも、全て判った様だった。それ程までに あのイベントの噂は蔓延しているから。
「《蘇生アイテム》。……まぁ気持ちはわかるぜ? 正に夢のアイテムだからな。『ニコラスの大袋の中には命尽きたものの魂を呼び戻す神器さえも隠されている』だったか。 ……でもな、大方奴らが言ってるとおり、ガセネタだと思うぜ。 ガセと言うか、SAOが大元の……普通のVRMMOとして開発されてた時に組み込まれていたNPCのセリフがそのまま残っちまった。……つまり本来はよくある経験値の
罰則
(
デス・ペナ
)
を回避する為に、死んだプレイヤーを無償で蘇生させるアイテムだったんだろうさ。……だが、今のSAOじゃ、ありえねえ。
罰則
(
ペナルティ
)
……それは即ち、プレイヤー本人の死なんだからよ。思い出したくねえが……あの時、茅場の野郎が言ってたじゃねえか」
クラインのその言葉を聞いて、あの時の茅場の言葉が蘇ってきた。
『HPが0になった時点で、プレイヤーの意識はこの世界から消え……現実の肉体に戻ることは永遠に無い』という言葉だ。
その茅場の言葉が欺瞞だったとは思わないし、思えない。
「それによ……、死んだ連中が実際にどうなるのか。知っている奴はここには1人もいねえ、死んだら向こうに戻ってて、『全部は嘘でした!なーんちゃって』とか、茅場が言うのか? ふざけんなよッ手前ェ! そんなの1年も前に決着が付いている議論だろうが。それが本当だって言うなら、速攻で現実の連中が皆のナーヴギアを剥ぎとりゃ一瞬で終わりだ。だが、出来ないってことは……、
本当
(
マジ
)
ってことなんだよ。HPが0になった瞬間、……ナーヴギアが電子レンジに早変わりして、俺らの脳をチンするんだよ。じゃなけりゃ、これまで、糞モンス共に殺られて、死にたくねえ、って泣きながら消えていった連中は何の為に……」
「……それ以上、何も言うなクライン」
クラインの言葉を制したのはリュウキだ。理由は明白。キリトの表情が暗く……冷たくなってゆくのを感じたから。
「……クライン。お前はオレやキリトが今更そんな事わかってないと思ってるのか? そう思ってるのなら、もうオレは、いやオレ達はお前と話すことはもう何も無い」
それを最後にクラインから視線を外すと、リュウキはキリトの方を見た。
「オレも、蘇生の可能性は たった1%でも、極論すれば0でなければ、十分だと考えている。 確かめもしないで、予想だけで結論付けるのは どんな事でも愚かな事だ。 ……そして何より、オレとお前なら2人でも十分に狩れる。あのアイテムを手に入れられると言う可能性の話なら、100%だ。保障しても良い。 オレはソロだ
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