第九章 双月の舞踏会
第三話 一時の別れ
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うですね。わたしからちゃんと話さないと。分かりました。説明します」
「いいのかいテファ?」
「ティファニア……」
覚悟を決めた顔をルイズたちに向けるティファニアに、ロングビルとセイバーの不安気な声が掛けられる。ティファニアはロングビルとセイバーが浮かべる不安を紛らわすように強ばった顔に笑みを浮かべた。若干引きつってはいたが、それでも「大丈夫」と伝えるように笑みを浮かべるティファニアの姿に、ロングビルとセイバーは何も言わず応えるように笑みを浮かべた。
「へぇ、じゃあテファ本人から直接説明してくれるってことかしら」
「はい」
ティファニアが向き直ると、ルイズたちは気配を察したようにチクチクと士郎苛めを止め顔を上げた。
「それじゃ、教えてもらいましょうか」
「っ」
ルイズたちの睨み付けるような視線を受けたティファニアの喉がゴクリと動いた。
勿体つけるようにルイズはゆっくりと口を開き。
「シロウとは本当はどんな関係なのよ」
「まだ引っ張るのかっ!」
ツッコミを入れたのは士郎。
ガタンと音を立てながら椅子から立ち上った士郎が、向かいに座るルイズたちを疲れた目で見下ろしている。
ルイズはむっつりとした顔で士郎を睨め上げると、「何言ってんのよ」といった視線を向けた。
「引っ張るって? わたしが一番知りたいのは何よりもそこなのよ」
「そうね。確かに他にも色々と気になるところはあるけど、まずはそこからハッキリさせないことには始まらないわね」
「そうです。まずはシロウさんとテファとの関係をハッキリさせないといけませんっ!」
「そんなに重要か。全く何でそこまでテファと俺との関係を疑うん―――っ!?」
呆れるように溜め息を吐く士郎に、ティファニアを除く全員から刃物のような視線を投げつけられる。
「へぇ……よくまぁそんな事言えるわね。ちょっと目を離した隙にあっちこっちに女を作るあんたが……」
「男の甲斐性って言うけど、流石にこれはねぇ……」
「そうです。それにテファが敵になった場合。とてつもなく手強い相手になりますから警戒するのは当然です」
冷たい視線と共に氷の様に冷えた言葉を突き刺してくるルイズたちに、士郎は腰が抜けたようにドスンと音を立てながら椅子に腰を下ろした。
ルイズたちの刃物のような鋭い言葉に肩を寄せ縮こまる士郎を守るように、椅子から立ち上がったティファニアが声を上げる。
「ま、待って。わたしとシロウの関係って言われても……それに、わたしなんかが……」
隠すように両手を耳に当て顔を伏せるティファニア。
一瞬しんっと静まり返る居間だったが、直ぐにガタンっと音を立て立ち上がったルイズたち三人は、つかつかとテーブルを回り耳に手をあて顔を伏せるティファ
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