第二幕その三
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れど魔法であんた達は捕まった。もう逃げられないよ」
「ふん」
「逃げてみせるわよ」
「無駄無駄。さて」
魔女は箒から降りてグレーテルに声をかけます。
「これをそっちの男の子におやり」
見ればそれはお菓子の山でした。アーモンドや干し葡萄の入ったケーキにクッキーです。
「これを食べたらすぐに太るからね」
「太ったらどうするつもりなんだよ」
「だからさっきから言ってるじゃないか」
魔女は言います。
「食べるんだよ。お菓子ににしてね」
「何のお菓子にするつもりなの?」
「そうだねえ」
それを考えるのが魔女の楽しみのようです。ニタニタと貴職の悪い笑みを浮かべています。
「何にしようかねえ」
「どっちにしろ食べるつもりかよ」
「決まってるじゃないか」
魔女はもう二人を美味しそうに眺めています。
「これからフォークとナイフを用意してね」
いそいそとした様子です。
「お茶碗と小皿。あとナプキンも」
「完全に食べるつもりね」
「そうみたいだね」
二人はそんな魔女を見てヒソヒソと囁きます。
「さて、あの娘はケーキにしようかね」
「聞いたな」
「うん」
グレーテルはヘンゼルの言葉に頷きました。
「竈を覗かせて放り込んで。それでケーキにしてやろう。ジンジャーブレッドのケーキに」
魔女は上機嫌のあまりついついどうやってグレーテルを料理するのかも言っていますこれは当然ながら二人の耳にも入っています。
「それでパクリパクリとね。やっぱり生姜のケーキが最高だよ」
この魔女の大好物はケーキ、それも生姜のケーキのようです。もう天にも昇らんばかりになっています。
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