第二幕その二
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
はもう嘘はつきません」
アイーダに対して宣言してきた。
「私もまたあの方を愛ているのです」
「えっ・・・・・・」
「今言いましたね。私もまたあの方を愛していると」
「そんな・・・・・・それでは」
「私と貴女は敵同士」
アイーダを睨み据えて言う。
「あの方を巡っての。ファラオの娘が貴女の敵なのです」
「あの方が生きている」
アイーダはまずはそのことに希望を見た。しかし。
「けれど貴女は」
「さあ、どうするのですか?」
ずい、と一歩大きく前に出てアイーダに問い詰める。
「私と。闘うのですか?」
「ファラオの娘ですか」
「そうです」
毅然として言った。
「そうでなくても私はアムネリス」
ファラオの娘である前に自分自身であると。はっきりと述べてきた。
「この私と闘うつもりですか?」
「私は・・・・・・」
「私は逃げることはしません」
凄まじいばかりの威圧感と気迫を見せてきた。アムネリスはファラオの娘である前にアムネリスであった。それがはっきりと出ていた。
「このアムネリスの名と誇りにかけて」
「それでも私は」
アイーダはその気迫に気圧されそうになる。それでも言った。負けてはいなかった。
「あの方を何処までも」
「私と闘うと」
「いえ」
また気圧される。それでも言った。
「私はあの方を何処までも」
「それは私も同じこと」
アムネリスは圧していたがそれでもアイーダは踏み止まっていた。アムネリスはさらに押すがアイーダは持ち堪えていた。彼女はそれでも押すのであった。
「だからこそ」
「私にあるのは愛だけ」
アイーダは言った。
「その愛の為に」
「退かぬというのですか」
「貴女はファラオの娘でなくともと仰いましたね」
「ええ」
その言葉にこくりと頷く。アイーダを見据えたまま。全身に紅い炎が宿っていた。それはまさに怒りの女神そのものの姿であった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ