第25話 決闘は予約を入れてからしろ!
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……銀さん」
「あぁ?」
「もし、なのはが銀さんを選んだとしても、以前と変わらずに、なのはを娘として見ても……構わないかい?」
「あぁ、あんたの好きにしな。なのはは元々そっちの娘だったんだ」
士郎は何処か諦めを感じていた。
如何になのはが此処高町家で生まれた子だとしても、彼女は生まれてから9年間の間を銀時達と同じ江戸で過ごしてきたのだ。
その為に、幾ら三日間の間楽しく過ごしてきたとしても、それは所詮は三日間の思い出だけに過ぎない。
9年間生きてきた思い出には到底勝てないと言う事を、士郎は悟っていたのだ。
だが、士郎はそれでも構わないと思っていた。一番優先すべき事はなのは自身の意見だ。
何しろこの答えにはなのはの人生が掛かっている。
自分達の思いを無理やりなのはに押し付けることなど出来ない。全ては彼女が決めねばならない事なのだから。
無論、それは銀時も同じ思いであった。
例え、9年間の間江戸で過ごしてきたとしても、本来の家族の下に居たがるもの。
そう思っていたのだ。
だからこそ、銀時も士郎と同じ考えを持っていたのだ。
「士郎さんよ、俺からも言わせてくれや。もしなのはがお宅んとこを選んだとしても、俺もなのはを娘と言わせて貰えるかい?」
「勿論だとも。しかし、なのはは贅沢な子だよ」
「贅沢?」
「そう思わないかい? 父親が二人も居るなんてさ」
士郎のその言葉に銀時は軽く笑みを浮かべた。
違いない。そう思えたのだ。
元々銀時には家族はいないし、その手の思い出も覚えていない。
戦のせいで、銀時は激動の時代を生きてきたのだ。
そんな銀時が、何時しか父親となり、多くの人達との出会いを経験していく事が出来た。
今にして思えば、あの時なのはを自分が引き取らなかったら、こんな事はなかっただろうと思える。
新八や神楽とも出会わなかっただろうし、他の江戸の奴等とも知り合いになれなかっただろう。
いわば、なのはが銀時のところに来たお陰で銀時もまた、多くの出会いを経験する事が出来たのだと、この時はそう思っていた。
そして、今日がその運命の日なのだ。
銀時の元へ行くのか?
それとも士郎の下へ戻るのか?
その答えを知る為に、二人はこうしてやってきたのだ。
だが……
「あ、あのぉ……士郎さん? 悪いんだけどさぁ、ちょっと扉開けてくれない? 銀さん手が震えちゃってて上手く扉開けられそうにないんだぁ」
「な、何を言うんだい! そう言う役目こそ銀時君の出番じゃないか。僕はあれだよ。この間仕事で手を火傷しちゃったから手で物を触れないんだ。だから銀さんにお願いするよ」
「ふざけんなよ! それを言ったらなぁ、俺なんか一昨日マルナカデパートの自動ドアに腕挟んじまって腕がジンジ
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