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駄目親父としっかり娘の珍道中
第25話 決闘は予約を入れてからしろ!
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―」

 新八が指差す。其処にあったのは綺麗に整理された庭には明らかに似つかわしくない作りの箱が置かれていた。
 銀時達の方からでは只の箱にしか見えない。だが、明らかにこの庭に置くには不自然にも思える。
 こちら側からでは只の箱にしか見えない。だが、反対側から見たらどうだろうか?
 真相を確かめる為に三人は箱の反対側へと回りこむ。それは箱と言うよりは簡素に作られたゲージであった。
 そして、そのゲージの中には一匹の大型犬が横たわっていたのだ。
 オレンジの体毛をした見たことのないタイプの犬だ。
 だが、銀時達はこの犬に見覚えがあった。

「こいつは、アルフ!」
「で、でも……なんで此処に?」

 新八も神楽も同様にその犬が何者なのか知っていた。
 フェイトと同様に自分達を幾度となく苦しめてきた存在。フェイトの良き理解者でもあり、また彼女の使い魔でもある存在。
 それが彼女なのだ。だが、今の彼女にはかつての元気が欠片も感じ取れずに居た。
 どうやら相当弱っているのだろう。

「どうします?」
「此処から出そう。どの道こいつは連れて帰る必要があるだろう」

 そう言い、銀時はゲージを開いた。幸い鍵などの類は掛かっていなかったらしくあっさりとそれらを開ける事が出来た。

「新八、すぐにアースラに連絡入れろ! このままじゃこいつと話す事が出来ねぇ」
「わ、分かりました!」

 どうやら銀時達は一番大きな情報源を入手できたようだ。真選組の方でも何かしら収穫がありそうだが、今はそんな事を考えてる時間も余裕も銀時達にはなかった。
 只、アルフから少しでも情報を得られればそれで良い。
 それしか頭の中になかったのだから。




     ***




 部屋に一人取り残されたなのはは手持ち無沙汰な時間をどう過ごすべきか考えていた。
 生憎、この部屋にはテレビの類はないし、遊ぶ友達も居ない。
 部屋も6畳と遊ぶには少々手狭な感じだ。暇潰しになる物と言ったら棚に置かれている本位しかない。

「結構分厚い本だなぁ……どんな本なんだろう?」

 興味本位でその本を手に取ってタイトルを見る。しかし、表紙には今まで見た事のない文字が書かれており、解読不能であった。

(何だろうこの文字? 何処の天人の字かなぁ?)

 まるでミミズが何匹も合わさって出来た文字のようだった。少なくとも江戸では見た事のない奇妙な文字であった。
 表紙を開いて中を見たが、中も結局同じ文字ばかりであり目が回りそうだった。
 扉が開く音がした。音に気付き、扉の方を向くと、其処には一人の女性が入ってきていた。
 紫の長髪に黒のドレスを身に纏った女性だった。
 その女性は片手に銀色のトレイを持っており、その上に
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