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駄目親父としっかり娘の珍道中
第25話 決闘は予約を入れてからしろ!
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に忠実ならしく、全く新八の気持ちを汲み取ろうとはしないでいた。
 しかし、空気を重く感じているのは何も新八だけではなかった。

(お、お兄ちゃん。何か空気が三倍近く重く感じるんだけど)
(耐えろ美由紀! 今俺達が変な事言ったら返って空気が重くなりそうだ!)

 そう、高町家の長男と長女の二人もまた、重くなっている空気を感じ取っていたのだ。
 二人もまた、新八と同じフォロー精神の持ち主だったと言える。

「あらあら、二人共そんな重苦しい空気出してたら折角のご飯が美味しくなくなっちゃうわよ」

 そんな士郎と銀時に対し、桃子がサラダボールを手に持って来ながらそう告げてきた。
 
「そ、そうだなぁ……俺とした事が存在感出しすぎちまったか」
「いやぁ、御免御免」

 桃子にそう言われ、士郎と銀時の二人がさっきまで纏っていた空気をその身から取り払ってくれた。
 しかし、流石は士郎の奥さんである。誰もが触れる事の出来なかったあの二人に言い寄れるのだから流石と言えば流石である。

「そろそろご飯出来るわよ。折角だから二人でなのはを呼んで来て頂戴」
「お、おぉ……そうしますかねぇ、士郎君」
「そうだねぇ、銀時君。俺達二人でなのはを呼びに行こうか」

 明らかに半音高い声のトーンでそう告げながら二人が席を立ち、そのままの足取りでなのはの居るであろう二階に向かって行った。
 そのお陰で今までこの部屋を支配していた空気がなくなって行くのを感じ取り、新八と高町家兄妹の三人はほっと安堵するのであった。

「い、いやぁ……それにしても皆さんと会うのはお久しぶりですねぇ」
「全くだねぇ新八君に神楽ちゃん。こうして君達と食事をするのも久しぶりで俺達も嬉しいよ」

 重苦しい空気がなくなったのを幸いと思いたかったのだが、生憎何を話そうか全く考えてなかった為にこんな事した話せない為にぎこちない会話となってしまった。

「ちったぁマシな会話してみろよ地味トリオが」
「誰が地味だああああああ!」

 神楽の毒舌に律儀に反応しだす三人なのであった。





 下の階でそんな会話をしていた丁度その頃、銀時と士郎はなのはの居るであろう部屋の前に立っていた。
 後は、この扉を開けてなのはを呼び出し、下に連れて行き皆で食事を取り、そして……

「いよいよか……たった三日間だけだったけど、とても充実した日々を送れたよ」
「そうかい? そうつぁ良かったな」

 すっかり落ち着きを取り戻した二人が扉の前でそんな会話をしていた。
 二人共扉の前に立ったまま、誰もドアノブを回そうとしないのだ。
 ノブを回さない。即ち誰も扉を開こうとしないのである。
 二人共緊張しているらしく、冷や汗が流れ落ちている。

「な、なぁ
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