第24話 住めば都も二つあると悩みの種
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今は定春と一緒に部屋で寝てますよ」
「不貞寝……か」
気持ちは分からないでもなかった。
神楽にとってなのはは年の近い妹のような物だったからだ。
また、なのはにとっても神楽は気の会う姉みたいな存在だったのだろう。お互い良く一緒に遊んでもいたし一緒に馬鹿な事もしていた。それだけに今回の銀時の決定には分かってはいながらも何処か納得が出来ないのだろう。
それは定春も同じと言えた。
考えてみれば、普段あまり人のいう事を聞かない定春も、何故かなのはの言う事だけは聞いていた傾向があった。
それだけ、定春もなのはの事が好きだったのだろう。
決して銀時達の事が嫌いだと言うのではないにしても、それでもなのはとはとても仲良しに見えた。
それだけに顔には出さないながらも定春もまたなのはとの分かれが辛いのだろう。
「銀さん、やっぱりなのはちゃんが居ないのって、凄い寂しいですよ」
「だからどうしろってんだ? 嫌がるあいつを無理やり江戸に連れ帰るつもりか?」
再び新八は黙ってしまった。
幾ら寂しいからと言って自分達の道理を押し通すのは余りに身勝手な事だ。
そして、その為になのはが傷つくと言うのも正直辛い。
そう考えると返す言葉が見つからなかった。
「さっきも言っただろうが。それを決めるのはなのは自身だって。俺達にはあいつにどうこう言うことは出来ねぇんだよ。そんな事したら、あいつを余計に惑わしちまうし、第一フェアじゃねぇ」
今回、なのはを暫く海鳴市に置いて来た理由はなのは自身で答えを見つけさせるためでもある。
なのはにとって江戸は赤ん坊の頃から育った世界だが、此処海鳴市はなのはが生まれた世界でもある。
言うなれば、どちらの世界もなのはにとっては故郷と言えたのだ。
だが、この二つの世界は近いようで案外遠い。どちらも本来は何の接点もない世界だったのだ。
それが、なのは一人の為に繋がってしまったと言える。
江戸と海鳴。
なのはは果たしてどちらを選ぶのか?
その答えを知るのは、もう少し先の事だったりする。
***
「うわぁ!」
目を大きく見開いて、なのはは今見ている光景を目の当たりにした。
今、なのはは高町家のリビングに居る。四角い長テーブルの上には現在、朝食の支度が整えられており、色とりどりな料理が並べられていた。
江戸で食べてたそれとは違い、見栄えの良い華やかでりながらも栄養面も考えられた内容であった。
「お待たせ。さぁ、食べましょう」
両手にサラダが盛られたボールを手に桃子がやってくる。木製のボールには色とりどりの野菜が綺麗に盛り付けられており、それだけでも桃子のセンスが見て取れる。
なのは自身も料理の盛り
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