第23話 時には子供でも決めなきゃならない答えがある
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発光しだした。その現象にアルフはギョッとしたが、既に時遅しだった。
避ける間も無く、杖から雷撃が迸ったのだ。
その雷撃を全身に浴びたアルフは体全体がスパークし、黒煙を巻き上げながら地面に倒れ付した。
「貴方みたいな出来損ないはフェイトの側に居ない方が良いわね。この際朽ち果ててくれた方が良いかも知れないわ」
「じょ、冗談じゃ……ないよ……」
掠れ気味の声で言い返しながらもアルフは立ち上がろうとする。その光景がプレシアには大層目障りだったのだろう。眉を引くつかせてアルフを見下ろしていた。
「そう言えば、貴方には教えてなかったわね。私が何の研究をしているかを」
「な、何……だっ……てんだい?」
「冥土の土産に見せてあげるわ……貴方の命と引き換えにねぇ」
そう言うと、起き上がろうとするアルフの細い首を掴み、頭上に持ち上げた。
とても女性の力とは思えない凄まじい握力が、アルフの首に集中している。
喉を握られ、呼吸が出来ず苦しむアルフを掲げながら、プレシアは歩いた。
「私が研究していた物。それはこれよ」
玉座の裏にある隠し扉。それを開き、中へと入る。
そこは一面カプセルで埋め尽くされていた。そして、その最奥にある一際大きなカプセル。その中には一人の少女が眠っていた。
金髪の幼い少女。
その姿は、正しくフェイトその物であった。
「フェ……フェイ……ト」
「違うわ。この子はアリシア。私の実の娘」
淡々と、プレシアは語った。アリシアと言う子の事を。その子と過ごしていた幸せな日々を。
「アリシアと過ごしていた日々はとても充実していた。あの子は何時も、私を癒してくれた。私にとって、アリシアは全てだった。でも、あの時の忌まわしき事件が、私からアリシアを奪った!」
憎憎しげに語るプレシア。そのプレシアの言葉を、アルフは只聞く事したできなかった。
「貴方に分かる? 愛する娘を、無残に奪われた者の気持ちが! 折角作った娘が失敗作だった者の気持ちが……貴方に分かる?」
「失敗作? それって、どういう事なんだい?」
「勿論、フェイトの事よ……あの子は私の娘じゃないわ。あの子は失敗作。出来損ないよ」
「な、何を言ってるんだよ! あんたは」
「プロジェクトF……知ってるでしょ?」
聞いた事のない名前だった。だが、そのプロジェクトの頭文字。
Fと言う頭文字に何故か引っ掛かりを感じる。
一体何故?
「貴方達使い魔を超える存在を作る計画。それがプロジェクト【FATE】貴方がご主人様と呼んでいるフェイトは、その計画から作り出された、このアリシア・テスタロッサの出来損ないのクローンだったのよ!」
「そん……な……」
目の前が真っ白になっていくのを感じた。今
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