暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第23話 時には子供でも決めなきゃならない答えがある
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
発光しだした。その現象にアルフはギョッとしたが、既に時遅しだった。
 避ける間も無く、杖から雷撃が迸ったのだ。
 その雷撃を全身に浴びたアルフは体全体がスパークし、黒煙を巻き上げながら地面に倒れ付した。

「貴方みたいな出来損ないはフェイトの側に居ない方が良いわね。この際朽ち果ててくれた方が良いかも知れないわ」
「じょ、冗談じゃ……ないよ……」

 掠れ気味の声で言い返しながらもアルフは立ち上がろうとする。その光景がプレシアには大層目障りだったのだろう。眉を引くつかせてアルフを見下ろしていた。

「そう言えば、貴方には教えてなかったわね。私が何の研究をしているかを」
「な、何……だっ……てんだい?」
「冥土の土産に見せてあげるわ……貴方の命と引き換えにねぇ」

 そう言うと、起き上がろうとするアルフの細い首を掴み、頭上に持ち上げた。
 とても女性の力とは思えない凄まじい握力が、アルフの首に集中している。
 喉を握られ、呼吸が出来ず苦しむアルフを掲げながら、プレシアは歩いた。

「私が研究していた物。それはこれよ」

 玉座の裏にある隠し扉。それを開き、中へと入る。
 そこは一面カプセルで埋め尽くされていた。そして、その最奥にある一際大きなカプセル。その中には一人の少女が眠っていた。
 金髪の幼い少女。
 その姿は、正しくフェイトその物であった。

「フェ……フェイ……ト」
「違うわ。この子はアリシア。私の実の娘」

 淡々と、プレシアは語った。アリシアと言う子の事を。その子と過ごしていた幸せな日々を。

「アリシアと過ごしていた日々はとても充実していた。あの子は何時も、私を癒してくれた。私にとって、アリシアは全てだった。でも、あの時の忌まわしき事件が、私からアリシアを奪った!」

 憎憎しげに語るプレシア。そのプレシアの言葉を、アルフは只聞く事したできなかった。

「貴方に分かる? 愛する娘を、無残に奪われた者の気持ちが! 折角作った娘が失敗作だった者の気持ちが……貴方に分かる?」
「失敗作? それって、どういう事なんだい?」
「勿論、フェイトの事よ……あの子は私の娘じゃないわ。あの子は失敗作。出来損ないよ」
「な、何を言ってるんだよ! あんたは」
「プロジェクトF……知ってるでしょ?」

 聞いた事のない名前だった。だが、そのプロジェクトの頭文字。
 Fと言う頭文字に何故か引っ掛かりを感じる。
 一体何故?

「貴方達使い魔を超える存在を作る計画。それがプロジェクト【FATE】貴方がご主人様と呼んでいるフェイトは、その計画から作り出された、このアリシア・テスタロッサの出来損ないのクローンだったのよ!」
「そん……な……」

 目の前が真っ白になっていくのを感じた。今
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ