第23話 時には子供でも決めなきゃならない答えがある
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べつつ彼女の頬を触れながら呟くように言った。
「あの時、貴方が連れてきたお友達が居たでしょ? あの子を此処に連れてきて頂戴」
「な、なのはを……ですか?」
「そう、私の研究にはどうしてもあの子の協力が欲しいの。貴方の頼みならあの子もきっと聞いてくれるでしょうし。あの子もきっと喜んでくれるわ」
喜んでくれる。
その言葉を聞いたフェイトの顔がパッと明るくなった。
またなのはに会える。それだけでもフェイトは嬉しい。
しかも、それだけじゃなく、なのはが喜んでくれるのなら是非にでもするべきだ。
そうフェイトは確信を持てた。
「はい! すぐに連れて来ます。待っててね、母さん!」
「えぇ、くれぐれも丁重に連れてきてね。待ってるわ」
何時になく優しい言葉遣いだったのが、フェイトに何の疑念を抱かせない要因であったのを裏付ける。
フェイトは飛び上がる気持ちで玉座を出て行った。思わず鼻歌を歌いたくなる思いだったのだろう。
扉の外でフェイトの喜びの声が木霊しているのがプレシアの耳に届いていた。
「プレシア、入るよ」
フェイトと入れ違いで今度はアルフが入ってきた。突然の出入り。ましてや全くお呼びじゃない存在にプレシアが突如眉を吊り上げる。
「何かしら? 今貴方と話している暇はないんだけれど」
「硬い事言いっこ無しさ。それより、あんた随分と丸くなったじゃないかぃ。一体何の心境の変化だってんだいぃ?」
「聞いてたのね……そう。なら隠しても無駄ね」
深い溜息をつきつつ、プレシアは面倒臭そうに口を開いた。
話の一部始終を聞かれた以上隠し通しても無駄だと分かった以上、下手に取り繕う必要がないと分かったのだろう。
途端に態度を切り替えだした。
「フェイトに、以前貴方達が連れてきた子を連れてくるように命じたのよ」
「なのはをかい? それまたなんで? まさか、フェイトの遊び相手になって貰おうってのかぃ?」
「遊び相手? まさか。あの子は私の実験台になって貰うのよ」
「なっ!!」
その言葉を聞いた途端、アルフは驚愕の顔をした。
プレシアがなのはを連れてくるように命じた理由。それは彼女を自分の歪んだ夢の生贄にする事だったのだ。
実験台と言っていたが、あの女の事だ。必ずなのはの命を奪う事になる。
そうなれば、間違いなくフェイトは生きていく気力を失ってしまうことになる。
今のなのははフェイトにとって全てに等しい存在なのだから。
「ふざけんな! あの子が、なのはがフェイトにとってどれ程大事な存在か? あんた知ってんのかい?」
「そんなの知らないわ。あの子がどう思おうと私にはあの子が……いえ、あの子の命が必要なのよ」
「あんた……初めからなのはを殺す目的でフェイトに命じ
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