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駄目親父としっかり娘の珍道中
第22話 竜巻対バカ
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のお友達」

 愚痴りながらもアルフは隣に居るユーノに語りかけた。その言い分にユーノは大層不機嫌な顔になりながら返した。

「友達じゃありませんよ」

 本当に仲が悪いようだ。
 まぁ、そんな事はこの際どうでも良い。今はまずあの巨大竜巻を処理するだけに神経を注いだほうが良さそうだ。

「ったく、人に面倒毎押し付けるなんてさぁ。これで死んだらあんたの事恨むからねぇ!」
「その時は墓前にドッグフードとフェレット用の餌をお供えしておくよ」
「竜巻よりも前にお前を仕留めたい気分だよ……ったく!」

 心の底から湧き上がって来る思いをグッと堪えつつ、アルフとユーノの二人は未だに猛威を振るいまくっている巨大竜巻を見入る。
 自身の魔力をフル稼働させて両手を翳す。
 足元に魔方陣が敷かれ、そこから幾本もの鎖状のそれが放たれた。
 放たれたそれらは猛威を振るう竜巻に絡みつき、やがては雁字搦めに固めてしまった。
 これにより竜巻の大きさは縮小し猛威もそれなりに縮んだ。だが、それも長い時間は維持できない。
 もって数分が良い所だ。

「け、結構キツイなぁ……これ」
「ガタガタ言うんじゃないよ! それでも男の子かい?」

 互いを叱咤しながらも必死に耐え続ける。それと同時の頃、クロノとフェイトは竜巻に接近していた。

「どうして近づくの?」
「幾ら威力が縮んだからと言って耐久力が落ちた訳じゃない。確実に仕留める為にも至近距離から砲撃を当てる」
「なる程」

 クロノの言い分に納得し、フェイトもそれに続く。確実性を考慮した戦法のようだが、はっきり言って博打要素が強い。
 下手に近づき過ぎて、逆に竜巻に巻き込まれたらそれだけで仕舞いだ。
 それに、距離を近づけた途端にバインドが解けたら、そう考えたら接近などできる筈がない。
 どうやらあの少年は度胸もあるようだ。

「そろそろだな。此処で決めるぞ!」
「分かった!」

 互いに細くなった竜巻を前にデバイスを構える。
 魔力を収束させて放つ準備をする。魔力量や時間からして殆ど一発勝負だ。
 これを外した場合後がない。

「収束砲でしとめる。出来るかい?」
「勿論! 一通りの事は出来るから」
「上出来だよ。それなら安心だ」

 此処まで来て砲撃魔法が使えないと言うのでは話にならない。しかし、どうやらその辺の疑念は稀有に終わったようだ。

「タイミングを合わせて……合図と同時に砲撃、良いね?」
「分かった」

 頷き、指示に従う。執務官と共に戦うのに些か戸惑いもあったが、今はそれでも構わない。
 あれを封印出来るのならばなんだろうと良い。

「今だ! 撃てぇ!」
「ファイヤァ!」

 合図と共に互いに魔力砲を放った。細くなった竜巻
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