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駄目親父としっかり娘の珍道中
第22話 竜巻対バカ
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たとして、誰が喜ぶんだ? 誰も喜びはしない。寧ろ君は君が死んだ事によって泣く人を増やすだけになるって事に何故気付かないんだ?」
「あ?」

 その一言が全てを物語っていた。もし、自分が命を賭してあれを止めたとしても、そんな事をしても誰も喜ばない。
 寧ろ自分が死んだ事により泣く人間を増やすだけになると言う事を。

「君があれを作ってしまったと言う責任感も分かる。だが、だからと言って軽はずみに命を投げ出すような真似はするな!」
「でも、それじゃあれはどうやって……」
「僕も一緒に封印する。一人じゃ無理でも二人なら出来る筈だ」
  
 信じられない発言であった。管理局がよりにもよって犯罪者の行いに加担しようと言うのだから。
 本来の管理局なら自分が衰退した辺りでやってきて漁夫の利を狙うのが常だった筈。
 その辺りで彼は他の局員と何処か違うようにも見えた。

「君は、君は一体何者なの?」
「僕かい? 僕は……ただのバカだよ。どうしようもない位のお人好しのね」

 一言そう言い残し、少年は竜巻に向かいあった。少年から見てもその竜巻が尋常じゃない大きさだってのは分かる。
 下手したら二人でも少し厳しいかも知れない。だが、一度やると決めた以上やるのが男の子だ。
 そう勝手な解釈を決め込んだ後、クロノは自身のデバイスを構える。

「フェレット君、聞こえるか?」
「フェレットじゃない! ユーノだ!」

 声と共に上空から別の少年がやってきた。金髪の少年だ。
 何処となくこちら側の服装を身に纏っている辺り彼もまたミッド側の人間なのだろう。

「あの巨大竜巻を封印する。手を貸してくれないか?」
「そのつもりで連れてきたんだろう?」
「良く分かってるじゃないか。なら早速頼むよ」
「分かったよ」

 半ば渋々しながらもユーノは動いた。会話からしてあの二人はあんまり仲が良くないようだ。

「其処の犬耳も力を貸してくれ。流石に僕達二人じゃちょっとこれはしんどいからさ」
「犬じゃない! 狼だ!」
「どっちでも同じだと思うけど? 同じイヌ科だし」
「一辺脳天に噛み付いたろうかこのクソガキ!」

 ついでにだれかれ構わず喧嘩を売っているようにも見える。何処となくあの男に似ているとも思えるようなそうでないような。

「二人共、あの竜巻をバインドで縛って狭めてくれ。その隙に僕と彼女で一斉砲撃の元に封印する」
「無茶苦茶な事をサラリと言ってくれるね」

 本当に無茶苦茶だった。あれだけの巨大な竜巻をバインドで縛るなど相当力が必要になる。それを簡単にやれと言うのだからパワハラも良い所だ。

「無駄口叩かずにさっさとやる! 口を動かす前に手を動かしてくれないと困るんだけど」
「本当、良い性格してるねぇ、あんた
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