第22話 竜巻対バカ
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のだから当然防御魔法などは使えない。その上ジュエルシード目掛けて体当たりするのだから当然衝撃は諸に来る。
十中八九フェイトの体は四散してしまうだろう。
だが、それも覚悟の上だ。
こんな事態を引き起こしてしまったのは自分なのだから自分の手で終わらせるしかない。
例え、自分自身の命を賭してでも―――
(アルフ、御免ね……なのは、せめて最後に一目……会いたかったな)
覚悟を決めて、目を瞑るフェイト。後は自身の魔力を臨界まで上げた後に、竜巻に体当たりをするだけの事だ。
息を大きく吸い、体内にある残りの魔力を少しでも高めようとする。
肩を誰かに掴まれた。アルフの手じゃなかった。
一回り小さい少年の様な手だった。
閉じていた目を開き、その肩を掴んでいる存在を見た。
最初に映ったのは黒い髪に同じ色をした瞳の少年だった。真剣な面持ちでこちらを見ている。
「き、君は……」
「どうやら間に合ったようだ。後先考えない子だとは思ったけど、まさか自爆するつもりだったなんて」
目の前に居た少年、クロノは呆れたように呟く。だが、フェイトからしてみればクロノの出現はとんだイレギュラーだった。
現状でフェイトは彼とは敵対関係にある。その上管理局は自分達を捕獲しようと躍起になっている。
竜巻に加えて時空管理局まで相手にしなければならなくなってしまった、と言う事になる。
「は、離して下さい! 私は、あれを止めないと……」
「一人で止める気なのか? だとしたら無茶だ。あれはもう君一人で止められるレベルじゃない! それ位君なら分かるだろう?」
彼の言っている事は正しかった。現状であの巨大竜巻をフェイト一人で鎮めるのは実質不可能だ。
だが、理屈で丸め込めるほどフェイトは大人しくない。
「それでも、それでも私が止めないと駄目なんです! 私が引き起こしてしまったから、だから……例え死ぬような事があっても私自身の手で―――」
言葉は其処で遮られた。フェイトの右頬に痛みが走る。
見ればクロノがフェイトに平手打ちを放っていたのが見えた。
その時のクロノの顔は今でも印象に残っている。
とても厳しい目でフェイトを睨んでいた。
「え?」
「まだ10年も生きてない子供が生意気な事言うな! 死ぬってのがどんな事か分かってるのか? 凄く痛いし、凄く辛い事なんだぞ! それがどんな事が、お前に分かるのか?」
つい先ほどまでの冷静な少年とは思えない感情的な発言であった。その発言を聞かされたフェイトに、反論する事は出来なかった。
只、黙ってクロノの言い分を聞く事しか出来なかったのだから。
ジンジン痛む右頬を押さえながら、フェイトは黙ってしまった。
「それに、君が命を賭してあれと止め
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