第21話 馬鹿な上司ほど部下が集まりやすい
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手を今フェイト達は前にしていたのだ。
アルフが弱気になるのも頷ける気がしてきた。だが、フェイトは諦める訳にはいかないのだ。
「でもね、私は諦める訳にはいかないんだよ」
「あの鬼婆の為ってんだろ? あんたがあの時だって必死に集めたのにあいつは何したのさ? 何もしてくれなかったじゃないか! それ以上にフェイトの頼みすら聞いてくれないし、もうあんな奴の言う事聞く必要なんかないって!」
涙目になりながらアルフは必死に説得を試みていた。もうこれ以上自分の主が傷つくのを見ていられないのだろう。これ以上無駄な抵抗をしても結果は見えている。良くて管理局に捕縛されるか、悪くて野垂れ死に。選べるとしたらそれ位しかない。
今の二人に勝利の二文字は霞んですらないと言える。
敗北か死か、その二択しかないのだ。
「アルフにとっては鬼婆かも知れないけど、私にとっては大切な母さんなんだよ。それに、私は母さんの為だけに集めてるわけじゃないよ」
「知ってるよ。あの子の為だろ? それはもう解決したじゃないか!」
あの子と言うのは言わずもかななのはの事である。この世界に来て初めて出来た異世界の友。自分にとって心から信頼出来た親友と呼べる存在。命を賭けてでも守りたいと誓った少女。それがなのはだった。
だが、彼女は今側には居ない。激戦の後マンションに戻ったとき、其処には既に姿がなかったのだ。
どうやら戦闘を行っていた際に管理局に保護されていたそうだ。だが、それは逆に安心出来ると言える。
管理局でならばなのはの体に起こっている異変をどうにか出来るかも知れないからだ。
しかし、念には念を、と言う言葉がある。もしも管理局でどうしようもなかった時に備えてジュエルシードを全て集めておく必要があるのだ。
「私は、もう一度なのはに会いたい。そして、今度こそ私が絶対になのはを守り抜いて見せる!」
「フェイト―――」
もう、今のフェイトに何を言っても無駄だった。フェイトの決意は固かったのだ。
今更アルフ一人が説得した所で聞き入れてくれる筈がなかった。その現実にアルフは酷く落胆していた。
(だめだ、やっぱりあの子じゃないと、フェイトは言う事を聞いてくれない。こんな時、あの子が側に居てくれたらどんなに心強い事か―――)
虚空の空を見上げ、居もしない存在を欲するアルフ。その思いがどれだけ無意味な物か。その意味を一番彼女が理解しているのに他ならなかった。
***
「あ、銀さん! お疲れ……うっ!」
「ぐぁっ!」
アースラに帰還した銀時達の近くに居たクロノ、並びに真選組の面々は揃って鼻を摘み不快そうな顔をしていた。
その原因は分かっての通り、銀時達万事屋とユーノの四名が先ほ
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