暁 〜小説投稿サイト〜
アイーダ
第一幕その六
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
言葉であるかのように。
「今こそエジプトに御加護を」
「宇宙と永遠の愛の神秘を今ここに」
 神官達もそれに続く。
「我等の加護を」
 巫女長は服を一枚脱いだ。そこから舞を舞いはじめた。
 まるで神が舞い降りたかのような美しい舞であった。それが終わってからまたラダメスに告げる。彼女の左右に炎の篝火が現われた。
「さあ、勇者ラダメスよ」
 澄んだ美しい声が響き渡る。
「今こそ行くのです」
「エジプトの為に」
 神官達がまた言った。
「勇者よ」
 ランフィスが彼に言う。
「神々の信頼を得たそなたにエジプトの運命は委ねられている。わかるな」
「はい」
 ラダメスはその言葉に頷く。
「その神により鍛えられた聖なる剣で敵の霹靂、死となるのだ」
「そうだ」
 他の神官達もそれに続く。様々な神の神官達が集っている。まるでエジプトの神々を代理するかのように。
「神よ、この勇者に御加護を」
「そして敵を滅ぼして下さい」
「それでは今より」
 ラダメスは彼等に応えて自らも誓う。
「エジプトの勝利と栄光を」
「ファラオの為に」
「神々の為に」
「エジプトの為に」
 神官達も言う。彼等は今エジプトの勝利を誓い合う。ラダメスがエジプトの勇者達を率いてテーベに向かったのはそれからすぐのことだった。アムネリスは晴れやかな顔で、アイーダは沈んだ顔で彼を見送るのであった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ