第10話 目覚めたのは天上天下唯我独尊的美少女ですよ?
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ここまで長い会話を重ねて、ようやくここにやって来た目的。森の古老……と言うには、この目の前の少女には失礼な表現の可能性も有りますが、それでも、この森を創った存在で有る可能性は高いその少女に、目的を伝える事が出来る状況が出来上がった。
それならば、
「わたし達は、この死の森と呼ばれている森を、再び人間との絆を結んだ、生命力と陽の気に溢れた森に戻す為に、ここにやって来たのです」
それまで、何故か下世話な話と成って仕舞った状況をただ見守るだけであったリューヴェルトが代表して、彼女の所にやって来た目的を口にした。
そして、自らの事を興味無さそうに見つめている破壊神の少女に対して更に、
「それで貴女には、この森の妖樹や、妖蟲の動きを抑制して貰いたいのですが」
……と続けた。
そう。あの妖蟲に因る攻撃を失くせるのなら、空中を移動する事も可能となり、更に、このギフトゲームの条件。森に棲む生命体を殺す事なく絆を結び直すと言う作業も行い易く成る。
いや、もしかすると、ハクが行うと言っていた、地脈の置き換えすら行う必要もない可能性も出て来るはず。
しかし、
「それは無理よ」
しかし、かなり冷たい口調でその上、不機嫌そうな表情でそう答える少女。
但し、まったく興味がないと言う訳ではない事は、彼女が答えを返して来た事で証明は出来ている。
ただ、
「確かにあたしがこの森を創ったのは間違いないけど、それ以降、あたしがずっと支配を続けて来た訳じゃないわ」
予想とは違う答えを返して来る少女。
その後、リューヴェルトではなく、ハクを見つめ、
「そもそも、一方的に支配するような真似は、あんたが嫌ったんじゃないの」
胸の前に腕を組んだ状態で、そう言葉を続けた。
確かに、昔話に伝わる少年ならばそう言うでしょうし、この森の中を進んで来た最中に会話したハクと言う名前の少女にしても、一方的に支配し続けるような状況は嫌うようにリューヴェルトには思えた。
しかし、それならば、
「最初の予定通り、龍脈の置き換えを強行するしかないみたいですね」
初めから変わらない穏やかな雰囲気のまま、あっさりと答えを出すハク。
但し、その為には目的の場所。それぞれの方角に存在する龍穴にまで移動する必要が有るのだが……。
それも、危険な妖樹や妖蟲が多数存在する死の森を突っ切って……。
☆★☆★☆
妖樹に因り完全に閉ざされたと思われた通路が、しかし、苦悶に似た響きに続き、無理矢理、何者かに左右に開かれた。
そう。あの破壊神の少女が完全にこの森の妖樹を支配し切っていない、と言う事は事実。
但し、造物主で有る創造神を未だ賛美している者たちは居た。
そう
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