第10話 目覚めたのは天上天下唯我独尊的美少女ですよ?
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からここに辿り着くまでの道すがら聞かされた事情に合致した答えをハクは口にしたので、この答えは欺瞞を口にした訳ではないでしょう。
ただ、何故か、その答えと、破壊神の少女が問い掛けた内容との間には奇妙な齟齬が存在しているような気がしたのだが……。
しかし、そのハクの答えを聞いた破壊神の少女が軽く首肯いた。
そして、
「それなら問題はないわね」
少女が軽く右手を差し出す。これは、誰に向けられた物でもない、たった一人に向けられた物。
そうして、
「約束通り、あたしと一緒に行きましょうよ。こんなクダラナイ世界も、あんたを捕らえている連中も何もかも全部放り出して」
伝説に語り継がれている破壊神の言葉を口にした。
間違いない。これは伝説の再現。事情は判らないが、ハクは伝説に継がれている少年で、その約束を履行する為にこの場を訪れたと思われたと言う事。
但し!
「ハクちゃんは、私の親友の大切な人なんだから、アンタなんかには渡さないんだからね!」
完全な拒絶の言葉を口にする美月。ハクと、破壊神の少女との間に完全に立ち塞がり、彼女の瞳も、倒すべき敵を見つめる強い光輝を宿して居る。
もっとも……。
「こら、美月。何を訳の判らん理由で睨み合っとるんや」
まるで歯をむき出しにして相手……破壊神の少女を威嚇して居るかのような美月の足元から彼女の肩へと駆け上がり、頭に猫パンチを食らわせる白猫のハク。
そして、その姿を確認した後、
「確かに魅力的な御誘いですけど、私には、未だ果たさなければならない約束が有ります」
二歩踏み出し、美月の前に出たハクが破壊神らしき少女に告げた。この対応から考えると、ハクもこの目を覚ました少女の事を破壊神だと考えているような雰囲気はない。
視線を破壊神の少女に固定したまま、ハクは更に続けた。
「それに、元々暮らして居た世界に帰ってから、為さなければならない仕事が有るようにも思いますから、今回のお誘いは御辞退させて頂きます」
普段通りのおっとりとした雰囲気ながら、それでも、言葉としては完全な形での拒否を示したハク。
そのオッドアイの少女の台詞を、かなり不満げな表情で聞いた破壊神と思しき少女が、少し鼻を鳴らした。
しかし……。
「相変わらず、妙な柵に囚われているみたいね」
しかし、かなり不満げな表情の割には、それほど不満げな雰囲気を発する事もなく次の言葉を口にした少女。何故か、その口調の中に少しの諦めにも似た雰囲気さえ漂わせていた。
もしかすると、この少女はハクの答えをある程度予想していた可能性も有ると言う事なのでしょうか。
そうして、
「だったら、なんで、あたしを起こしたのよ」
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