第84話 叶わない夢
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うひぃ〜、さっきよりも暑いな〜。俺の額は戦う前から汗が滲んでいる。すると、遠くの方に見慣れた蜘蛛の巣の模様がついた服を着た男がいた。
ギ「確か・・・スパイダーだっけな?」
ス「覚えててくれたっすか!!俺うれしいっす!!」
元気なやつだな。
ス「早速っすけど、バトル、始めるっすよ。」
ギ「おぅ。」
スパイダーは戦闘体勢を構えると、
ス「蜘蛛の糸!(スパイダースレット)」
スパイダーの手から白い糸が伸びる。俺はステップしながらかわす。
ス「さすがっすね、ギルダーツさん。でも、これならどうっすか?蜘蛛の罠!(スパイダートラップ)」
俺が着地した場所に黒い魔法陣が浮かび上がる。俺は瞬時にそこから離れた。すると、その魔法陣からバカデカイ蜘蛛の巣が出来上がった。
ギ「こりゃあすげー。見物だな。」
ス「呑気な事言ってるのも今のうちっすよ。蜘蛛の毒!(スパイダーポイズン)」
毒が染み込んだ蜘蛛の巣が俺に向かって伸びてくる。俺はゆっくり右手を上げる。すると、毒の染み込んだ蜘蛛の糸は音もなく散った。
ス「ひゅ〜♪すごいっすね!!」
なんでこいつ、こんなにうれしそうなんだ?てゆうか・・・
ギ「お前は何で俺の事知ってるんだ?」
ス「簡単な事っす。俺にとってギルダーツさんは憧れの人だからっす。」
俺が憧れ?
ス「ギルダーツさんはものすごく強いし、仲間思いっす。俺もそんな風になりたいっす。」
嬉しそうに笑いながら語るスパイダーの目は、キラキラ輝いてるのが俺には分かった。だけどよスパイダー、
ギ「お前は闇ギルドの一員であり、俺たちの親を傷つけた1人でもあるんだ。今更俺に憧れても、時はすでに遅いんだよ。」
俺は少し冷たく言い放った。スパイダーは、
ス「・・・知ってるっす。」
ギ「!?」
ス「闇の者は光の者には二度となれないのは自分も理解してるっす。でも、光の者はもちろん、闇の者にも、夢はあっていいんじゃないっすかね?たとえ叶わない夢だとしても、あっていいんじゃないっすかね?」
こいつ・・・
ス「叶わない夢を持っているのは俺だけじゃないっす。ファイターも、ウォーターも、フェアリーも、ソード姉貴も、マスターもみんな持ってるっす。」
スパイダーは目を伏せた。天使が抱える夢ってやつか。
ス「でも、俺たちのマスターの夢は、もうすぐで叶うっす。」
ギ「それはマヤを使って叶える夢なのか?」
ス「マスターはそう言ってたっす。詳しい事は俺もよく分かんないっすけど。」
・・・天使のボスの夢が叶って、天使の弟子の夢は叶わない・・・か。
ス「話は終わりっす。俺はギルダーツさんと戦えるだけでも嬉しいっす。蜘蛛の行列!(ス
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